ドラフト上位候補!現役高校生No.1プレーヤーのチェット・ホルムグレンとは?

将来のスター候補と目されるホルムグレン[写真]=Getty Images

 NBAドラフト2020が終了。2015年以来となる1位指名権を獲得したミネソタ・ティンバーウルブスには、フレッシュマンからジョージア大学のエースを担ったシューディングガード、アンソニー・エドワーズが加入。スピードは他のNBA選手と比較してもトップクラスで、ティンバーウルブスはトランジションゲームにおける強力な武器を手中に収めることに成功した。

 少し気が早いかもしれないが、来年以降のドラフトは豊作が続きそうな予感。ジェイレン・グリーン(進学先未定)、ケイド・カニンガム(オクラホマ州立大学)といった未来のスター候補たちはアーリーエントリーが有力視されており、class of 2020以下も粒ぞろい。特に、現在“高校No.1プレーヤー”の称号を持つチェット・ホルムグレン(ミネハハ・アカデミー)もNBA入りが確実視されている逸材だ。

ブロックショットを量産するホルムグレン[写真]=Getty Images

 ホルムグレンは、身長213センチ、ウイングスパン229センチの恵まれた体格を持つ7フッターセンターだ。リクルートの三大権威のひとつ『ESPN』では学年No.1に支持されており、その他の『247Sports』と『Rivals.com』でも、それぞれ2位、3位と高評価を獲得している。

 210センチ超えにして体重はわずか86キロと、かなり痩せ型のホルムグレン。しかし、攻守ともにペイントエリア内の存在感は抜群で、時には1試合2ケタのショットブロックをマークする。さらに、同選手は高校入学当初、シューターとしてプレーしていた。そのため、ハンドリングはバックコート選手顔負けのしなやかさで、試合では自らボールを運ぶことも多く、さらにはスリーポイントも正確。AAUでは成功率48.4パーセントを残し、現代バスケで求められるストレッチ性能まで備えている。このようなスタイルを持つことから、アメリカではクリスタプス・ポルジンギス(ダラス・マーベリックス)と比較され、“ベイビー・ポルチンギス”や“ネクスト・ユニコーン”などと形容されている。

 そんなホルムグレンが一躍全米に名を轟かせたのは、アンダーアーマーが主催する「SC30セレクトキャンプ」だろう。当時高校2年生だったホルムグレンは、ピックアップゲームでステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)とマッチアップ。そこで対峙した際にカリーのシグネチャームーブであるビハインド・ザ・バックでカリーを抜き去り、そのままダンクを沈めたプレーはSNSなどで広くシェアされ、これにはカリーも笑顔で振り返り、一言「ナイスムーブ」と放ったという。

 ホルムグレンは最近、マイキー・ウィリアムズ(レイク・ノーマン・クリスチャン・スクール)やジェイデン・ハーディー(コロナド・ハイスクール)ら高校トップ選手が一堂に介したトーナメント「ガイコ・トップ・フライト・インバイト」でもポテンシャルの高さを証明している。

 特に、“ケビン・デュラント二世”の異名を持つ1学年下のNo.1プレーヤー、エモニ・ベイツ(イプシ・プレップ・アカデミー)との頂上決戦には大きな注目が集まった。試合は両エースが得点を重ねる目が離せない展開が続くも、最終的に試合を制したのはホルムグレン。31得点、12リバウンド、6ブロックのダブル・ダブルでチームを勝利に導き、試合前にエモニ派を公言していたバスケットボールファンたちを黙らせた。

 まだ進学先にコミットはしていないものの、ホルムグレンには八村塁(ワシントン・ウィザーズ)の出身校であるゴンザガ大学のほか、地元ミネソタ大学、オハイオ州立大学など、NCAAの強豪校がこぞってオファーを提示している。

 果たしてこの先、次世代7フッターセンターはどのようなキャリアを歩むのか。NBA好きであれば、ホルムグレンは今から追いかけておくべき存在だろう。

文=Meiji

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