馬場雄大帰国インタビュー#2「NBAに入るためにも1番近いところで挑戦を続けたい」

今シーズンの馬場雄大はアメリカに渡り、Gリーグのテキサス・レジェンズでプレー [写真]=Getty Images

 今シーズン、アメリカに渡り、Gリーグのテキサス・レジェンズでプレーした馬場雄大。残念ながら新型コロナウイルス感染拡大の影響でシーズンは途中でリーグは終了したが、41試合(うち先発は5試合)にプレーして平均19.6分6.3得点2.6リバウンド1.2アシスト1.0スティールを記録。特に3ポイントシュートについては成功率41.5パーセントをマークした。今回、ルーキーシーズンを終えて帰国した馬場雄大をキャッチ。アメリカで得たもの、今後の課題を聞いた。

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取材=入江美紀雄

馬場雄大の発案で実現したインスタライブ

――オリンピックの1年延期が発表された時、馬場選手はTwitterで「この1年を有意義な時間にしたい」とおっしゃっていましたが、どういう風に取り組んでいこうと思いますか?
馬場
 とりあえず新型コロナウイルスが収まるまではやれることが限られるので、自宅でのコアのトレーニングなど、器具を使わずにできることを徹底してやっていきたいです。また、状況が改善されればアリーナでの練習を再開して、この1シーズンで経験してきた僕にしか分からない課題をクリアしていきたいです。まずアメリカでプレーできたという経験が自信につながると思いますし、2シーズン目はとても大切だと思うので、チームでの役割を確立するためにも英語などを含めた全体的な向上を目指して頑張っていきたいです。

――元々馬場選手はポジティブシンキングなタイプだと思うのですが、アメリカに行って考え方は変わりましたか?
馬場
 ポジティブシンキングだけではどうにもならない場面もありましたね。プレー時間がもらえない時に相談できる相手がいなくて孤独感を感じることはありました。ですが、NBAでプレーする夢があったので、「諦めている場合ではない」、「今できる最善をしよう」、「気を落としてばかりではいられない」と思い直すことができたので、ポジティブシンキングは生きていたと思います。でも超ポジティブになったというわけではないですね。

――帰国する前に渡邊雄太選手(メンフィス・グリズリーズ/ハッスル)、八村塁選手(ワシントン・ウィザーズ)とともにインスタライブを行いましたが、あれは誰の発案ですか?
馬場
 「3人で何かしよう」と提案したのは僕で、それで彼らから返信が来て、2人とも「何かやろう」と考えていたと言っていましたね。

――三者三様のキャラクターが感じられてとても面白かったです。八村選手の自由奔放な感じ、渡邊選手の生真面目さ、それをまとめようとする馬場選手の気配りなど。アメリカにいた方が日本にいる時より八村選手の活躍を見る機会が増えたと思いますが、それをどのように感じていましたか?

馬場 塁はすごいプレッシャーがかかった中にいたと思いますが、インスタライブでも話していたとおり、「バスケが好き」という気持ちでプレッシャーを跳ね除けて、逆にプラスに変えていましたね。プレースタイルも(ゴンザガ)大学から変わらず落ち着いていて、NBA1年目でも同じようにプレーしていました。4番というポジションですが、最近では3ポイントの精度も向上していたと思います。もちろんザイオン(ウィリアムソン、ニューオリンズ・ペリカンズ)のようにルーキーでもコートに立てば大活躍する選手もいますが、塁もとても結果を残したNBA1年目だったのではないでしょうか。彼はこれからさらに大きくなっていく選手だと思うので、皆さんには期待していただきたいです。

――渡邊雄太選手はどうですか?
馬場
 皆さんご存知のとおり、バスケに関してはこだわりが強く、芯を曲げずに120%の力を注ぐ人です。そう言った真面目さからバスケと向き合う姿勢が伝わってきます。プライベートも真面目なところが出ていて、裏表のない性格なので、皆さんが知っている渡邊雄太がありのままの渡邊雄太だと思いますよ。

馬場とともにアメリカで活躍する右から渡邊雄太八村塁

オリンピック開幕が延長されたことでもっと成長できる

――ありがとうございます。ダラスのスーパーマーケットで売っている食べ物でハマったものはありましたか?
馬場
 アメリカではグルテンフリーやヴィーガン食品などの健康食品が多かったですね。これらは日本には無いものですし、健康的なものをという意識はあったので、積極的にとるようにはしていました。

――日本にはそう言ったものは少ないですからね。
馬場
 種類の多さには驚かされました。一般的にお菓子は健康ではないと言われますが、ヴィーガンチョコレートやヴィーガンクッキーなど、健康に食べることのできるお菓子が売っていたことが面白かったです。しかもアメリカならではの量で。

――ダラスには日本食のお店も多かったと思いますが、帰国して日本食を食べて安心しましたか?
馬場
 やっぱりアメリカの日本食と日本の日本食は違いますね。ダラスでも日本企業は多く進出していて、美味しいところもありましたが、日本の雰囲気と味は日本でしか味わえないと思いました。

――来シーズンもNBAに挑戦する予定ですか?
馬場
 あのレベルのバスケを経験した時、もっとここでプレーしたいと思い、アメリカでやれるところまで頑張りたいという気持ちが強くなったので。NBAに入るためにも1番近いところで挑戦を続けたいと考えています。

――最後にファンの方にメッセージをお願いします。
馬場
 今はこういう状況で家からなかなか出られないと思いますが、最近はBリーグやレジェンズなどの配信サービスが充実してきたので、過去の試合を見て、楽しんでいただければいいなと思います。東京2020オリンピックの開催が1年先に延びましたが、僕はまだまだ若いのでこの1年でさらに成長した姿を見せられたらと思います。僕は今やれることをひたむきにやっていきますので、これからも熱い応援をよろしくお願いいたします。

開催が延期になったが、オリンピックでも日本代表としての活躍が期待される [写真]=fiba.com

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