芸能界きってのNBAフリーク、スチャダラパーのBoseがNBAを熱く語る。90年代のシカゴ・ブルズとマイケル・ジョーダン、ニューヨーク・ニックスとパトリック・ユーイングのプレーに魅了されたヒップホップアーティストは、一時の離脱期間を経て現在は毎日のように観戦。取材前にもスマホ片手に試合をチェックするハマりぶりで「人間性も超重要」、「バックグラウンドなしには好きならない」とNBAをコアに追いかけている。
インタビュー=安田勇斗
写真=兼子愼一郎
――NBAを見るようになったきっかけを教えてください。
Bose バスケットボールを中高でやってて、その時はテレビ放送がほとんどなくて見られなかったんですけど、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズ)がすごかった頃(80年代後半から90年代)に日本でもちらほら放送するようになって見始めました。スニーカーの『ジョーダン』が流行ってたのもあるし、ジョーダンが出てた『ナイキ』のCMもカッコ良くて、その影響もありましたね。
――プレーヤーとして主要大会で結果など残したのでしょうか?
Bose 全然ないですよ(笑)。田舎の弱小校でしたし、当時日本ではマイナースポーツで、野球部でもサッカー部でもないやつが入る感じのところでしたから。
――練習は厳しかったですか?
Bose いや、ホントに弱小でしたからね(笑)。バスケを教えられる先生もいなくて、みんなでやり方を考えてがんばろうって感じでした。もちろん部活としてちゃんと練習はしましたし、楽しかったですよ。
――それ以降、自身でプレーすることはあったんですか?
Bose ほとんどないですね。駒沢公園にボールを持っていってちょっとやるぐらいで。やりたいと思いつつ、全然できてないんですよ。
――90年代のシカゴ・ブルズ“黄金期”以降も継続的にNBAを見ていたんですか?
Bose 飛び飛びで見てましたね。一番見てたのは最初の3連覇(93年)の頃です。その次のスリーピート(3連覇。96年から98年)も見て、あとニックスが好きで90年代後半はよく見てましたね。パトリック・ユーイングがいた時はすごく強くて毎試合楽しかったです。2000年代に入ってからだんだん見なくなって、また見始めたのは数年前ですね。レブロン(ジェームズ/クリーブランド・キャバリアーズ)の時代が来て、自分の中でも徐々に盛りあがってきて。
――スマホでもご覧になっているようですね。
Bose もう毎日見られるんでヤバいですね(笑)。今が一番ピークぐらい見てますよ。朝起きて全試合のハイライトも見たりしますし、スタッツもしっかり出るのから超面白い。
――ニックス以外にも好きなチームはあるんですか?
Bose やっぱり一番はニックスですね。今は(クリスタプス)ポルジンギスのユニフォームが欲しいです(笑)。あとレブロンがいた頃のマイアミ・ヒートも好きで、今いるキャブズ(キャバリアーズ)もすごく好きです。レブロンは人間的にもすごく好きなんですよ。この前の大統領選についてのコメントとかを聞いてもさすがだなと。そういう意味ではカーメロ(アンソニー/ニックス)も、人間性も含めて好きな選手ですね。
――最近はゴールデンステート・ウォリアーズも話題のチームです。
Bose もちろん好きですよ。でも強くなったのはここ3年ぐらいですから。金子あっくん(金子ノブアキ)が昔からウォリアーズ好きで、僕は「あんな弱いチーム?」って思ってたんですよ(笑)。それが急に注目されて不思議な感じですね。
――選手を人間性も含めて見るというのは意外ですね。
Bose 超重要ですよ。僕はヒップホップミュージックと一緒にNBAを好きなったんですけど、音楽と同じでバックグラウンドなしには好きにならないので。例えばレブロンが貧困地域の出身で、そこから成功をつかむとか、そのドラマがあってのレブロンなんですよ。逆にステフィン・カリー(ウォリアーズ)はセレブ出身で、レブロンとは真逆。そういういろいろなドラマがある中で戦うから面白いんですよ。音楽についても、その曲がいいってだけでは好きにならない。その人がどういう人で、どういう発言をしているか、どういう風に成長してきたかというのも含めて好きになる。
――NBAを見る時の面白さはどこにあると思いますか?
Bose 僕もとっかかりはみんなと一緒で、ジョーダンのプレーを見て「何でこんなことできんの?」っていうすごさに惹かれたことです。日本人ではできない、すごいプレーに圧倒されて面白いな、楽しいなって。3ポイントを10本も決めたり、あり得ない状態からダンクを決めたりしますからね(笑)。今で言うとレブロンと(ラッセル)ウェストブルック(オクラホマシティ・サンダー)の身体能力は人間離れしていて、何回見ても「ええっ」ってなりますし、一方でカリーの3ポイントはもう決まりすぎて意味がわからない(笑)。あとカイリー・アービング(キャバリアーズ)のドリブルからシュートに至る動きとかも、カメラが付いていけないんじゃないかってぐらいですからね。
――現地での観戦歴はあるんですか?
Bose 前にニックスの試合を何回か見て、今年はファイナルを見に行きました。その前のウォリアーズ対サンダーを1試合見て、ファイナルの最初の2試合と全部で3試合見たんですけどすごかったですよ。会場の盛りあがりもメディアの数も違ってとにかくすげえなって(笑)。
――これからNBAを見始める方にオススメのポイントはありますか?
Bose まずはわかりやすいところから見てほしいですね。さっき言ったレブロンやカリーのプレーとか。僕も今でこそ全部を追いかけてますけど、最初はオールスター級の15選手ぐらいしか見てなかったですし、最初はジョーダンに対抗するユーイングとか、そういう構図が面白くて好きになったので。スター選手のキャラとか体型とかでもいいし、そういうわかりやすいところから入ってもらえればなと。
――これを見れば間違いないというチームはありますか?
Bose やっぱりキャブズとウォリアーズじゃないですかね。今一番面白いチームだと思いますよ。
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<今後の放送カード>
12/9(金)午前11:30 「スパーズvsブルズ」
12/10(土)午前9:45 「スーパーサタデー!ロケッツvsサンダー」ゲスト:中村昌也
12/13(火)午後0:30 「トレイルブレイザーズvsクリッパーズ」
12/14(水)午前10:00 「ティンバーウルブズvsブルズ」
12/15(木)午前10:00 「キャバリアーズvsグリズリーズ」
12/16(金)午後0:30 「ニックスvsウォリアーズ」
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