フィラデルフィア・セブンティシクサーズのルーキー、ベン・シモンズが11月3日(現地時間11月2日)に行われたインディアナ・ペイサーズとの試合で14得点11リバウンド11アシストを記録し、キャリア2度目の“トリプルダブル”を達成した。
シモンズは、2016年ドラフト1巡目1位でシクサーズに入団したものの、右足第5中足骨の骨折の影響で1試合も出場せずにいたので、今季がルーキーイヤーとなっている。デビューから9試合で2度の“トリプルダブル”を達成したことがあるのは、“ビッグO”ことオスカー・ロバートソン氏(元ミルウォーキー・バックスほか)のみ。最後に記録されたのが、1960-61シーズンということを考えると、彼がどれだけの偉業を成し遂げたのかがよくわかるだろう。
ここまでルーキーの中でトップとなる1試合平均出場時間35.2分で、同18得点9.8リバウンド8.2アシストの堂々たる数字を残しており、フィールドゴールパーセンテージも51.6パーセントを記録している。とは言っても、3ポイントシュートは1試合平均1本未満で、成功数はいまだ0本。フリースローパーセンテージも58.8パーセントとシュートがうまいわけではなく、フィールドゴール試投数のほとんどが2ポイントエリア。自身もシュート力を課題として捉え、試合前のウォームアップなどで、ジャンプシュートの練習を行っているようなので、改善されれば、さらにオールラウンドな活躍を見せるに違いない。少し早いかもしれないが、ルーキーとして、このまま数字をキープし、チームを2011-12シーズン以来のプレーオフに導くことができれば、新人王も確実なものになってくるはずだ。
また、彼が2020年の東京オリンピックでオーストラリア代表としてプレーすることを望んでいると、地元フィラデルフィアの複数メディアに記事を提供するキース・ポンペイ氏が報じており、仮に代表として東京でのプレーが決まれば、NBAファンだけでなく、すべてのバスケットボールファンの注目を集めることになるだろう。
NBAのレジェンドと若干21歳の彼を比較することは、酷かもしれないが、すでに自身の才能をいかんなく発揮し、スタープレーヤーになれる素質を証明しているのは、事実。まだ粗削りな部分が多いが、今後が非常に楽しみな選手だ。
チームは、11月4日現在でイーストの5位に位置しており、勝率でも久しぶりに5割を超えている。11月7日から今季のチームにとっても、シモンズにとっても初めてのロードトリップ(長期遠征)に入るが、ここをどう乗りきるかが11月の成績を大きく左右しそうだ。
文=中野知馬