昨年のドラフト1巡目全体3位でボストン・セルティックスに指名されたジェイソン・テイタム。
セルティックスは当初、昨年のドラフト全体1位指名権を保持していたが、フィラデルフィア・セブンティシクサーズの全体3位指名権とトレードしていた。それでも、セルティックスのダニー・エインジGMは「全体1位指名権を持っていてもテイタムを指名していた」と明かすほど、テイタムは高い評価を得ている。
1月25日(現地時間24日)終了時点で、テイタムは平均13.6得点5.5リバウンド1.3アシストという成績を残しているのだが、特筆すべきは、シュート全般の精度の高さだ。
フィールドゴール成功率は48.6パーセント、3ポイントシュート成功率が45.0パーセント(リーグ2位)、フリースロー成功率81.5パーセントと、19歳とは思えないほど安定している。
そんなテイタムが“お手本”としていた選手は誰なのだろうか。ここでは、現地メディア『CLUTCHPOINTS』に掲載されていた記事を紹介したい。
「まだ小さい頃、コービー(・ブライアント/元ロサンゼルス・レイカーズ)のようなフェイドアウェイシュートがしたいと思っていた。そう、コービーが僕のお気に入りだったんだ」とテイタムは言う。
コービー・ブライアントは一昨季限りで現役を引退したスーパースター。NBA歴代2位となる1試合81得点をはじめ、数々の記録を残してきたレジェンドだ。しかし、父親の指摘によって、ポール・ピアース(元ボストン・セルティックスほか)をお手本にするように言われたという。
「でも父さんが『よく聞くんだ。お前は“The Truth(ピアースの愛称)”のプレーを見る必要がある。ポール・ピアースだ。彼は身体能力がある選手だが、(リーグで)最も身体能力があるわけじゃない。だがこの男は毎回、ショットを放てるように、スペースを見つけているんだ。彼こそが、まさにお前がお手本とすべき選手だ。お前にはサイズとフットワークがあるだろ』と言われてね。そこから、彼(ピアース)のプレーを見るようになっていったんだ」とテイタムは語った。
昨季限りで現役を引退し、15シーズンをプレーしたセルティックス時代の背番号「34」が永久欠番になったポール・ピアースは、様々なテクニックを最大限に活かし、ステップバックやプルアップ、フェイドアウェイでジャンパーを放ち、それらを幾度も決めてきたレジェンド。そのピアースとテイタムには、オフェンス面でどこか共通するような部分が見て取れる。頑強な体を駆使して広範囲からショットを決めることができるスモールフォワードだからだ。テイタムは、いずれピアースのような“オフェンスの鬼”になることができるポテンシャルを秘めている。
もっとも、現在テイタムが所属するセルティックスには、カイリー・アービングやアル・ホーフォードといった実績のあるオールスター選手がおり、ピアースのようにルーキー時代から得点源としての役割を求められた環境ではない。そのため、スタッツなど細かく分析しようとも、フェアではないだろう。
それでも、セルティックスにテイタムという将来のスター候補選手がいることは明らか。まだ19歳と若いため、今後さらに成長していくことがおおいに期待できる逸材である。