デンバー・ナゲッツで2年目を迎えるジャマール・マレーが、1月23日(現地時間22日)のポートランド・トレイルブレイザーズ戦で自己最多の38得点を挙げた。
97-99と2点ビハインドだった第4クォーター残り33.6秒、ブレイザーズのエバン・ターナーにピッタリつかれながらゴール下へ力強くドライブし3点プレーに持ち込みチームを勝利に導いた。ナゲッツは、それまでの8試合で6敗と不調だった。そんな嫌な空気を払拭させるプレーに、マイケル・マローンHCは「彼は我々の目の前で成長している。恐れることなく強い自信を持ってプレーできる若手選手がいるということは、今後前進していく上で最高のこと」と話した。ナゲッツは、この試合から3試合を終えた時点で3連勝だ。
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マレーはカナダ出身の20歳。今季ナゲッツで、ギャリー・ハリスとともに強力なバックコートとして層の厚いナゲッツを支えている。
その秘訣が「瞑想」だ。マレーの父ロジャーは、子供の時ブルース・リーのメンタルの強さに魅せられ、研究した。その結果自らの生活に瞑想を取り入れるようになり、それがいかに効き目があるかを実感。息子にも子どもの頃から瞑想を教えてきた。
「学生の時はコーチの部屋や静かな場所を見つけてやっていた。今はアリーナに来る前に瞑想をしている」とマレー。試合前に目を閉じ、自らがどのようにプレーするかをイメージすることで、「余計なことを考えずリラックスして試合に集中できる」という。それが、前述のブレイザーズ戦のように接戦の終盤で冷静にプレーできることに繋がっている。
マレーは父から「いかに犠牲を払うか」ということも身をもって教えられてきた。子どもの時からテレビはバスケットの試合以外はほぼ見ず、インターネットも携帯電話もなし。「中学2年か3年の時に」携帯電話を持たせてもらったのだが、それは「安全対策のためだけ」だった。
テレビを自由に見たり、携帯でゲームをしたりすることのできる友人が羨ましくなかったのか聞くと「そういう時もあった。でも自分の(NBAという)目標を考えれば、無駄な時間は必要なかった」とマレー。「僕は夢を現実にするために技術を磨かなければならなかったし、自分のやるべきことに集中しなければならなかった。僕の育ち方は普通ではなかったけれど、苦痛ではなかった」と話す。
傍から見ると、バスケのスパルタ教育を受けたように見えるが、マレーは「それはない」ときっぱり。「僕はバスケがやりたかった。そして僕には目標を果たすために助けてくれる人がいた」と父について話した。
今は携帯も持ち、テレビも見られる。しかし、目標を達成するための姿勢が変わるはことはない。
文=山脇明子