俳優の中村昌也さんが、2月10日に行われたロサンゼルス・クリッパーズ対デトロイト・ピストンズの試合にゲスト出演しました。バスケットボールの経験があり、オクラホマシティ・サンダーを愛してやまない中村さんが、NBAオールスター2018の注目ポイントや後半戦の見どころについてたっぷりと話してくれました。
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――クリッパーズ対ピストンズ(クリッパーズが108-95で勝利)の試合を振り返っていかがでしたか? ピストンズに移籍したブレイク・グリフィンは古巣との対決でした。
中村 第4クォーターまで首が疲れるくらい速い展開でした。あれで、(ピストンズの)アンドレ・ドラモンドはバテたのかなと思います。グリフィンは調子が良かったですけど、今日の試合で言うと、クリッパーズの方がチームとしてフィットしていました。サンダーにいたレジー・ジャクソンがケガで欠いたことを差し引いても、ピストンズは(チームが熟成するのに)もう少し時間がかかると思います。
――18日にNBAオールスター2018前夜祭が始まり、19日はオールスターゲームです。まずは前夜祭の見どころを教えてください。
中村 スキルズチャレンジ、スラムダンクコンテスト、3ポイントコンテストとすべてが見ていて楽しいです。ここに出てくる選手はすごい選手ばかりです。(スキルズチャレンジは)2年連続でビッグマンが勝っていますね(2016年はカール・アンソニー・タウンズ/ミネソタ・ティンバーウルブズ、2017年はクリスタプス・ポルジンギス/ニューヨーク・ニックス)。僕も学生時代はビッグマンでしたから、個人的にはジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)に優勝してほしいです。注目したいのは、3ポイントコンテストです。3ポイントシュートは今のNBAですごく大事です。過去の優勝者であるエリック・ゴードン(ヒューストン・ロケッツ/2017年優勝)、クレイ・トンプソン(ゴールデンステート・ウォリアーズ/2016年優勝)がいる中で、「誰が一番入るんだ!」というのを見たいです。誰が一番うまいのかを見るのは燃えるものがあります。今年出場する選手では、ポール・ジョージ(サンダー)に注目です。ジョージの優勝を見たいです。
――今年からオールスター出場選手の選出方法が変わりました。ファン投票で両カンファレンストップだったレブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ)とステフィン・カリー(ウォリアーズ)がキャプテンとなってドラフト形式でスターターを指名しました。例年と違ってカンファレンスの垣根を越えたドリームチームになっていますが、注目ポイントは?
中村 ビックリしたのが、レブロンとカイリー・アービング(ボストン・セルティックス)が同じチームにいること。さらに(ウェスタンには)ラッセル・ウェストブルック(サンダー)がいる“ソワソワ”感。この“ソワソワ”感がたまらないです。両チームとも楽しみですが、チームレブロンの方が何か持っていますね。(レブロンとカイリーは)前向きな別れでしたが、元チームメートとどんなバスケをするのかめちゃくちゃ楽しみです。チームカリーは、全く違うバスケをすると思います。カリー、ジェームズ・ハーデン(ロケッツ)がいて、リザーブにはトンプソン、デイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)がいます。これはなかなかのメンバーです。もう早く見たいです。ベンチで何を話しているか聞いてみたいですね。
――オールスターの注目選手は?
中村 個人としては、規格外の選手という意味で、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)。オールスターという大舞台で、新時代の到来がアデトクンボの手から生まれる可能性があると思います。チームメート、相手チームもそうそうたるメンバーの中で一皮むけるチャンスがあるかな。
――オールスターが明けると後半戦が始まります。まずは、お気に入りのサンダーはいかがでしょうか?
中村 ジョージがようやくコンスタントに点を取るようになってきました。ただ、僕の中でパトリック・パターソンがもう少しできると思っていました。そこが、チームとして乗り切れていない原因でもあるかと思います。ウェストブルック、ジョージ、カーメロ・アンソニーの3人が健康で、気合の入った状態でプレーオフに入ったとしたら、いける可能性があるかなと。そこまでにどう修正していくか楽しみです。
――リーグ全体に目を向けてみるといかがですか?
中村 ウェストは、ウォリアーズとロケッツを中心に回っていますね。サンダーも含めて、意外と注目されていたミネソタ・ティンバーウルブズが勝ちきれていないです。楽しみなのは、若手がいるチームがどれだけ勝ち星を伸ばしていくかです。特にカイル・クーズマ、ロンゾ・ボールなどが所属するロサンゼルス・レイカーズです。一方のイースタンはどうなるか読めないですね。トレードで新しい血の入れ替えをしたキャブスが順当に上がってくると思いますが、例年ほどの絶対感はないと思います。ジョン・ウォールがいるワシントン・ウィザーズも恐いですが、セルティックス、トロント・ラプターズ、キャバリアーズの三つ巴を中心に、その他のチームがどれくらい食い込んでくるか。本当に予想が難しいです。こんな波乱のイースタンになるとは……。
――後半戦のダークホースを挙げるとしたら?
中村 イースタンはバックスかな。アデトクンボをサポートできる良い選手がもう一人いたら、バックスは大化けする可能性があるかと思います。経験があってリバウンドを取れる選手ですね。バックスには期待したいです。上位3チームに食いついてほしいです。ウェスタンは、難しいですね。あくまでもうわさですが、デリック・ローズがティンバーウルブズに加入すると聞きました。そうなると、ほぼほぼブルズです。そこにアンドリュー・ウィギンズとカール・アンソニー・タウンズ。ローズも伸び悩んでいて、ウィギンズ、タウンズも然り。マイナスとマイナスを掛け合わせれば、プラスになると思います。ドラマチックなことを思うと、ミネソタは面白いかな。ウェスタンはミネソタが注目です。
――最後にNBAファンにメッセージをお願いします。
中村 NBAはとんでもないトレードが起きたりして、いつもハラハラドキドキさせてくれます。見て楽しい、感じて楽しいはもちろんのことですが、そこにドラマチックが乗っかってきています。最高のスポーツです。好きな選手を見つけていただいて、疑似でないですけど、その選手が渡り歩く道に自分を重ねるのも楽しみの一つです。一緒にNBAを楽しみたいです。