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2月19日(現地時間18日)にロサンゼルスのステープルズ・センターで行われる「NBAオールスターゲーム2018」。先月、オールスターの出場選手ならびにロースターが発表され、開催が刻一刻と近づいてきている。バスケットボールキングでは、67回目となるオールスター出場選手紹介に加え、オールスターにまつわる記録や大盛り上がりしたイベント、印象的なゲームなども順次お届けしていく。
今回からは、昨年までのNBAオールスターゲームの中から、印象的だったゲームをお届けしたい。まずは第4クォーターに大波乱が起きた2001年から紹介しよう。
■イースタン・カンファレンス出場選手一覧(所属は当時のもの/太字はスターター)
アレン・アイバーソン(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)
ビンス・カーター(トロント・ラプターズ)
トレイシー・マグレディー(オーランド・マジック)
アントニオ・デイビス(トロント・ラプターズ)
アンソニー・メイソン(マイアミ・ヒート)
ディケンベ・ムトンボ(アトランタ・ホークス)
レイ・アレン(ミルウォーキー・バックス)
ステフォン・マーブリー(ニュージャージー・ネッツ)
グレン・ロビンソン(ミルウォーキー・バックス)
ラトレル・スプリーウェル(ニューヨーク・ニックス)
ジェリー・スタックハウス(デトロイト・ピストンズ)
アラン・ヒューストン(ニューヨーク・ニックス)
※出場選手変更(ケガのため)
セオ・ラトリフ(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)→アントニオ・デイビス
グラント・ヒル(オーランド・マジック)→ラトレル・スプリーウェル
アロンゾ・モーニング(マイアミ・ヒート)→ディケンベ・ムトンボ
■ウエスタン・カンファレンス出場選手一覧(所属は当時のもの/太字はスターター)
コービー・ブライアント(ロサンゼルス・レイカーズ)
ジェイソン・キッド(フェニックス・サンズ)
クリス・ウェバー(サクラメント・キングス)
ティム・ダンカン(サンアントニオ・スパーズ)
ケビン・ガーネット(ミネソタ・ティンバーウルブズ)
ラシード・ウォーレス(ポートランド・トレイルブレイザーズ)
マイケル・フィンリー(ダラス・マーベリックス)
ゲイリー・ペイトン(シアトル・スーパーソニックス)
アントニオ・マクダイス(デンバー・ナゲッツ)
デイビッド・ロビンソン(サンアントニオ・スパーズ)
ブラデ・ディバッツ(サクラメント・キングス)
カール・マローン(ユタ・ジャズ)
※出場選手変更(ケガのため)
シャキール・オニール(ロサンゼルス・レイカーズ)→ブラデ・ディバッツ
この年のオールスター出場メンバーは、“高さに勝るウエスト”と“スピードでかき回すイースト”という構図が浮き彫りとなったロースターだった。ウエストはシャックがケガによる欠場となったものの、206センチ以上のビッグマンが8人おり、ガーネットやウェバー、ウォーレスには高い身体能力も備わっていた。一方のイーストはデイビスとムトンボの2選手のみ。ウエストが有利という下馬評だったのは言うまでもない。
第1クォーターに30-17と13点リードを得たウエストが、試合を優位に進めていく。前半を終えて61-50、第3クォーター終了時には89-70とリードは19点にまで広がっていった。ダンカン、ウェバー、マクダイスらが高さを活かしてリバウンドを奪い取り、リング下を制圧していたのである。
第4クォーター残り約9分で、スコアは95-74と、点差は21にまで広がっていた。スター選手が集結したロースターといえど、そう簡単に逆転できる展開ではないことは、誰もがわかっていた。
しかし、ここからイーストが怒濤の追い上げを見せていった。その主役はアイバーソン、ムトンボ、そしてマーブリーだった。イースト最後の25得点のうち、アイバーソンは15得点を稼ぎ、ゲームの主役に躍り出た。ムトンボは、ウエストが誇るビッグマンたちを相手にリバウンドをむしり取り、オールスター最多記録となる19本のディフェンシブ・リバウンドをマーク。残り約3分に100-100の同点となり、試合は互いにリードするシーソーゲームの展開へ。
終盤に入り、アイバーソンのフリースローでイーストがようやく105-104とリードを得る。しかし、ウエストには誰よりも負けず嫌いな男、コービーがいた。イーストに逆転を許すと、ショートジャンパー、ロングジャンパーを見事に沈め、残り約1分で108-105と3点リードをもたらす。
すると今度はオールスター初選出となったマーブリーが立ちはだかった。残り約53秒、3ポイントシュートを鮮やかに決めて108-108と再び同点へ。するとコービーもマーブリー相手に3ポイントライン近くからプルアップジャンパーを綺麗に決める。試合時間は残り約37.7秒。
そこで再びマーブリーが立ち上がった。右45度の位置からステップバック気味に離れてキッドとのスペースを作り出すと、すかざす3ポイントを放った。これが鮮やかにネットを通過し、残り約28.4秒、マーブリーの得点でイーストが1点リードに成功した。
最後のポゼッション、コービーとダンカンによるピック&ロールから、ボールはダンカンの手に。「てっきり、彼(コービー)がシュートするもんだと期待してた」とダンカンが振り返ったショットは、カーターのブロックにあってしまいゲームセット。試合はイーストの見事な逆転劇で終わることとなった。
「まるでチャンピオンシップゲームのようだった。7回目の出場だったけど、今回のようなオールスターゲームは初めて見た」とムトンボが言った。確かに、ここまで白熱した展開となったオールスターゲームはそうそうないものだった。
そしてアイバーソンの口から、このゲームを象徴する“名言”が発せられることとなる。
「人々は俺たちに対して、『サイズがないから勝てない』と言っていた。でもサイズじゃないんだ。ハートのサイズが重要なんだ。第4クォーターに俺たちはサイドラインに座りながらこう言っていた。『なんで俺たちにはできない? オールスターゲームで19点ビハインドからカムバックすることはできないのか?』ってね」。
それ以降、日本を含めたバスケットボール界やその他のスポーツで、「大事なのはサイズじゃない。ハートの大きさなんだ」という言葉は何度も用いられてきた。このアイバーソンの発言が“元祖”と断定することはできないものの、最もインパクトを与えた言葉だったことは間違いない。NBA、プロチーム、はたまた全国優勝を狙うチーム、兄や姉を見返すべく練習している、といった世界中のバスケットボールプレーヤーたちに強く刻まれたのである。
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