1回戦プレビュー Part.4 ブレイザーズ×ペリカンズ/プレーオフ特別企画⑪

ブレイザーズをけん引するリラード(左)とペリカンズの大黒柱デイビス(右)[写真]=Getty Images

4月15日(現地時間14日)から、計16チームによる今シーズンの王座を懸けた激闘、「NBAプレーオフ2018」が幕を開ける。そこでバスケットボールキングでは、プレーオフ出場チームやシリーズ勝敗予想に加え、これまでのプレーオフにおける名シーンや印象的なシリーズ、ゲームなども順次お届けしていく。

<プレーオフ特別企画⑪>
ファーストラウンド プレビュー Part.4
ポートランド・トレイルブレイザーズ×ニューオリンズ・ペリカンズ

■2017-18シーズン成績
ブレイザーズ>49勝33敗(ウエスタン・カンファレンス3位)
ペリカンズ>48勝34敗(ウエスタン・カンファレンス6位)

■2017-18シーズン直接対決戦績
2勝2敗

■ブレイザーズ

プルアップ・ジャンパーを多用するシューター軍団

 デイミアン・リラードCJ・マッカラムというリーグ屈指のスコアリングガードを擁するブレイザーズは、5年連続のプレーオフ出場となった。

 先発スモールフォワードのモーリス・ハークレスが左膝の手術により、復帰は4月下旬と伝えられている。そのため、シーズン終盤と同様に、エバン・ターナーがハークレスの代わりに先発として出場することとなる。

 ターナーと共にフロントラインを組むのはアル・ファルーク・アミヌとユスフ・ヌルキッチ。特にヌルキッチはリラードとマッカラムに次ぐ3番手の得点源として大きな期待がかかる。

インサイドだけでなく、ミドルレンジからも得点できるヌルキッチ[写真]=Getty Images

 とはいえ、このチームの生命線はやはりアウトサイドシュート。トランジション・オフェンスの割合(10.5パーセント)は30チームで最も少なく、プルアップ・ジャンパーの平均試投数(28.6回)はリーグ最多だからである。リラードとマッカラムだけでなく、シャバズ・ネイピアーやターナーらがショットを放つべく、ビッグマンたちは体を張ってスクリーンをかけて、バックコート陣が中心となって気持ちよくショットを放つ。これをペリカンズ相手にも継続することがシリーズ突破のポイントとなるだろう。

■ペリカンズ

スピーディーなラインナップで1回戦突破を狙う

 リーグ最高級のビッグマンへと成長したアンソニー・デイビスを中心に、2015年以来3年ぶりとなるプレーオフへの出場権を手にしたペリカンズ。

 開幕から大車輪の活躍を見せていたデマーカス・カズンズがアキレス腱の負傷でシーズン絶望となったものの、トレードでニコラ・ミロティッチ、FAでエメカ・オカフォーを獲得して補強を行い、戦力ダウンを最小限にカバー。さらに、ドリュー・ホリデーが成長したこと、そしてラジョン・ロンドとイートワン・モアがチームにタフネスをもたらし、昨季から成長を遂げた。

今季はデイビスに次ぐチーム2位の平均19.0得点をマークしたホリデー[写真]=Getty Images

 特筆すべきは、残り5分で5点差以内というクラッチ・シチュエーションの戦績だろう。昨季は17勝27敗と大きく負け越したものの、今季は30勝20敗と大きな飛躍を見せている。さらに、15点以上のビハインドを背負った試合で9度も逆転勝利を収めている。

 また、ロンド、ホリデー、モア、ミロティッチ、デイビスで構成するラインナップは、48分間あたりで105.2ポゼッションを記録。200分以上プレーした5選手のラインナップではリーグ2番目の速いペースとなっており、このラインナップでスターターを組んだレギュラーシーズン最後の5試合を、ペリカンズは負けなしで終えている。プレーオフでもこの5選手でスターターを形成することになりそうだ。

■シリーズ予想 ペリカンズ 4-2 ブレイザーズ

デイビスとロンドがペリカンズを勝利へと導くか

 ブレイザーズには爆発力と勝負強さを兼備したリラードとマッカラムというやっかいなガードが2人もいる。仮にどちらかを乗せてしまえば、1試合で40得点を奪う得点力は十分備わっている。

独力でディフェンス陣を打開し得点可能なリラード(右)とマッカラム(左)[写真]=Getty Images

 しかし、オフェンス力だけで見ればペリカンズが上回る。平均得点(111.7)はリーグ3位で、オフェンシブ・レーティング(107.7)はリーグ9位と、いずれもブレイザーズを上回っており、フィールドゴール成功率48.3パーセントは堂々リーグ2位という高水準だからだ。

 ペリカンズとしては、ロンドやモア、ホリデーらが、ブレイザーズが誇るガードデュオを抑えることができれば、勝機はやってくるだろう。

 一方、ディフェンス面でリーグ上位の数字を残しているのはブレイザーズ。平均失点はリーグ5位(103.0)、ディフェンシブ・レーティングではリーグ6位(103.5)、被フィールドゴール成功率は44.7パーセントでリーグ4位を残している。

 ただ、ペリカンズ戦ではデイビスとのマッチアップが心配の種となるだろう。シーズン最後の2試合でいずれも36得点を許しており、アミヌがガードについても6割近い成功率でショットを決められていた。

 また、シーズンの直接対決では2勝2敗なのだが、ロンド出場時の試合はペリカンズが2戦無敗というデータがある。ロンドは平均20得点を挙げるようなスコアラーではないが、得点しなくともゲームに影響を与え、支配することができる特殊な選手。96試合という豊富なプレーオフ経験は両チームで最も多く、1つのパスやスティール、ディフェンスで、ブレイザーズにあった流れをペリカンズへと引き戻す貴重な働きが期待できる。

 ブレイザーズは第3シードのプライドを懸けて、第6シードのペリカンズを圧倒しようと序盤から猛攻を仕掛けてくるだろう。しかし、デイビスとロンドの存在を理由に、このシリーズを制するのはペリカンズと予想する。

リーグ屈指のビッグマンとなったデイビス(左)と、プレーオフ経験豊富なロンド(右)[写真]=Getty Images

モバイルバージョンを終了