後半にキャブスを33得点に抑え込んだペイサーズが逃げ切り、シリーズ2勝目!

キャブスの猛攻をしのぎ、勝利を手にしたペイサーズ[写真]=Getty Images

後半にディフェンスの立て直しに成功して逆転勝利

 4月21日(現地時間20日)、クリーブランド・キャバリアーズ(1勝)とインディアナ・ペイサーズ(1勝)のシリーズ第3戦が、ペイサーズのホーム、バンガーズライフ・フィールドハウスで行われた。

 先制点を挙げたのはキャバリアーズ。一昨季までの5シーズン、ペイサーズでプレーしていたジョージ・ヒルケビン・ラブのアシストからレイアップを決め、さらにフリースロー1本を成功、レブロン・ジェームズのジャンパーが続き、5-0とリード。

 するとペイサーズはビクター・オラディポが3ポイントシュート、ボーヤン・ボグダノビッチがレイアップを決めて同点にすると、再びヒルがフリースロー、プルアップ・ジャンパーをヒットさせてキャブスをけん引。ホームのペイサーズも、負けじとランス・スティーブンソン、サディアス・ヤングが加点し、シーソーゲームとなる。

 第1クォーター中盤。キャブスは左親指靭帯部分断裂を負いながらプレーするラブが6連続得点し、レブロンやJR・スミスも続き主導権を握る。同クォーターは31-20と、キャブスが11点をリードして終えた。

 第2クォーターに入ると、ボグダノビッチの3ポイントシュート、スティーブンソンのステップバックジャンパーでペイサーズが点差を詰めていく。対するキャブスはベンチ組のロドニー・フッドやラリー・ナンスJr.が応戦し、リードを保った。

 途中8点差までリードを縮められるも、ラブとレブロンが着実に加点し、キャブスがリードを2ケタに広げる。このクォーター残り39.3秒にラブの3ポイントシュートが決まると、前半はキャブスが17点リード(57-40)でハーフタイムへ。

ラブは13投中7本のショットを決める奮闘を見せた[写真]=Getty Images

 後半に入ると、ペイサーズはオラディポ、ヤング、ボグダノビッチの活躍で一気に追い上げる。前半57得点を挙げていたキャブスを第3クォーターはわずか12得点に抑える好ディフェンスで、ペイサーズが6点差(63-69)まで詰め寄り、最終クォーターを迎えた。

 第4クォーター。ペイサーズは残り8分38秒、オラディポのフリースロー2本で75-75とし、とうとうキャブスを捕らえた。キャブスはレブロン、ペイサーズはオラディポが点を取り合う中、ボグダノビッチのシュートが冴え、3ポイントシュートを連発。そのうち1本はファウルも奪い、4ポイントプレーを成功させ、ペイサーズを勢いに乗せていった。

 キャブスは残り3分25秒、レブロンのフリースローで同点(84-84)としたものの、ボグダノビッチが5連続得点とスパーク。いずれもオラディポのアシストからレイアップ、3ポイントシュートをねじ込み、残り2分26秒でペイサーズが5点(89-84)をつける。

この日はショットが不調だったオラディポは、フリースローで7得点を稼ぎ、18得点を記録した[写真]=Getty Images

 その後ヤングのレイアップで7点差にリードを広げたペイサーズだったが、残り38.0秒にレブロン、残り7.7秒にはラブが長距離砲を決め、ゲームは1点差(90-91)に。残り5.0秒にコリソンがフリースローを2投中1本決め、2点差で迎えた最終盤、スミスのショットが空を切り、ペイサーズがホームで逃げ切りに成功。最終スコア92-90とし、シリーズ2勝目を挙げた。

シーズンをとおして粘り強く戦ってきたペイサーズ

 ペイサーズではボグダノビッチが9投中7本の3ポイントシュートを決めるなど、ゲームハイの30得点と大爆発。オラディポが18得点6リバウンド7アシスト3スティール、ヤングが12得点7リバウンド3スティールをマーク。この日の勝因は、キャブスを後半わずか33得点に抑え込んだチームディフェンスと言っていいだろう。

得点面だけでなく、この日のボグダノビッチには、何としてでもレブロン(右)をガードしてみせるという気迫が感じられた[写真]=Getty Images

 一方、レブロンの手配により、チームメート全員がプレーオフ最初のアウェー戦にふさわしい格好(グレーのスーツ姿)で会場入りしたキャブスだったが、前半終了時こそ17点リードしていたが、後半に失速してしまい、シリーズ2敗目を喫することとなった。レブロンが28得点12リバウンド8アシスト、ラブが19得点6リバウンド、ヒルが13得点をマーク。

 キャブスは今季、3クォーター終了時点でリードしていた試合で39戦無敗だったものの、この日はリードを守り切ることができなかった。レブロンはこの試合でプレーオフ通算100度目のダブルダブルを達成。NBA史上、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)しか到達していない偉業に到達したが、キャブスを勝利へと導くにはあと一歩たりなかった。

 前半終了時に17点ビハインドを背負っていたペイサーズは、貴重な1勝を手にした。ヤングは試合後、現地メディア『AP』へこう語っていた。

 「昨年のチームで、もし17点差をつけられて逆転勝ちできていたかどうか、俺にはわからないね。でも今年のチームは、シーズンをとおして粘り強く戦ってきた。だから(今夜のような)逆境に打ち勝つことができたんだ」。

 レブロンは「前半は俺たちの方がよりアグレッシブだったし、テンポを握っていた。でも後半に入ると流れが変わり、彼らの方がよりアグレッシブにプレーしていた。彼らのテンポだった」と試合を振り返った。

 ちなみに、レブロンが率いるチームがプレーオフの1回戦で2敗目を喫したのは、2008年以来10年ぶりとなった。

 シリーズ第4戦は、23日(同22日)にペイサーズのホームで行われることとなる。ペイサーズがシリーズ決着へ王手をかけるのか。それとも、キャブスが3年連続イースト覇者の意地を見せ付けるのか。翌戦も終盤までもつれるゲームになりそうだ。

試合後、WOWOW NBAファミリーの一員でもあるORANGE RANGEのYAMATOさんがコメントを寄せてくれました。

「このシリーズはもつれそうです。ペイサーズはオラディポを中心に我慢強い試合運びで、ずっと耐えて最後に勝利をもぎ取るプレーオフの戦い方を見せてくれました。30得点をあげたボグダノビッチの3ポイントはキャブスにとって脅威的でした。9本中7本成功、しかも大事な場面で。プレーオフはこういう“もってる”選手が出現すると強いイメージがあります。キャブスはレブロン次第にならないように、ケビン・ラブJR・スミスに期待したいです」(YAMATO)

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