シリーズの流れを大きく変えたプリンスのブロック
今からちょうど14年前、2004年5月25日(現地時間24日)、イースタン・カンファレンス・ファイナルで、ビッグプレーが生まれた。
#OTD (2004) in @NBA history, Tayshaun Prince showed why you never give up on a play! 🚫 pic.twitter.com/JlHtP27gqA
— NBA TV (@NBATV) May 24, 2018
この年のイースト決勝に進出したのは、03-04シーズンにリーグトップの61勝21敗を残したインディアナ・ペイサーズと、イースト2位の54勝28敗を挙げたデトロイト・ピストンズ。
シリーズ初戦。ロースコアながら試合時間残り31.7秒にレジー・ミラー(元ペイサーズ)が決勝弾となる3ポインターを沈めてペイサーズが78-74で先勝すると、第2戦でもペイサーズ優勢で試合が進んでいった。
だが徐々にリズムをつかんだピストンズが第4クォーター中盤に逆転。残り1分38秒にリチャード・ハミルトン(元ピストンズほか)がフリースロー2本を決めて69-63と、ピストンズが6点をリードする。
するとペイサーズは、ピストンズがターンオーバーとミスショットで無得点になる中、ミラーがフリースローを4本決めて2点差まで追い上げる。
残り29.9秒にラシード・ウォーレスがショットをミスするも、チャウンシー・ビラップス(共に元ピストンズほか)がオフェンシブ・リバウンドを奪ったのだが、ジャマール・ティンズリー(元ペイサーズほか)にボールを奪われ、ティンズリーが先陣を切って走るミラーへボールを託すと、ほぼノーマークと思われた状況でレイアップを放った——。
決まれば土壇場で同点。ホームのペイサーズとしては、シリーズ2連勝を挙げる最大のチャンスだった。
しかし、左方向からひと際長い腕がミラーに襲い掛かる。テイショーン・プリンス(元ピストンズほか)である。プリンスはミラーのレイアップを絶妙なタイミングで弾き飛ばし、見事なチェイスダウン・ブロック。会場にいたペイサーズファンは一瞬「何が起こったんだ?」と戸惑うほどの衝撃だったに違いない。
その後リバウンドを奪ったハミルトンがティンズリーのファウルで得たフリースローを2投とも確実に沈め、ピストンズが最終スコア72-67でシリーズ初勝利。
ピストンズは翌第3戦にも勝利し、シリーズの主導権を握る。第4戦こそ敗れるも、続く第5、6戦はペイサーズをわずか65得点に抑える強固なディフェンスでシリーズを4勝2敗で制し、ロサンゼルス・レイカーズとのNBAファイナルでもロックダウン・ディフェンスを駆使して4勝1敗で勝利。1990年以来、フランチャイズ史上3度目のチャンピオンに輝いた。
当時キャリア2シーズン目のプリンスは、先発スモールフォワードに定着し、ファイナルでもコービー・ブライアント(元レイカーズ)を相手に自慢の長い腕を存分に駆使し、フォロースルーを妨害。シリーズ全体のフィールドゴール成功率をわずか38.1パーセントに抑え込み、ピストンズ優勝に大きく貢献したのだった。