日本が誇る若き至宝、渡邊雄太がグリズリーズと交わした2way契約とは?

サマーリーグで見せた活躍が評価され、グリズリーズと2way契約を結んだ渡邊[写真]=Yasushi KOBAYASHI

2way契約とは、昨季からNBAに導入された“便利な契約”

 ラスベガス・サマーリーグ終了直後の7月21日(現地時間20日)、ブルックリン・ネッツの一員としてサマーリーグに5試合出場した渡邊雄太が、メンフィス・グリズリーズと2way契約を結んだ。

 通常、NBA経験のない選手がNBAチームと契約する場合、ドラフト指名されたチームと、またはドラフト指名されなかった選手や海外リーグでプレーしていた選手がフリーエージェント(FA)として獲得オファーのあったチームと結ぶこととなる。

 ただし、渡邊がグリズリーズと結んだ2way契約は通常とは少し異なる。昨季から導入されたこの2way契約というのは、ルーキーからキャリア4年以内の選手だけが該当する新契約で、簡潔に言えば“使い勝手の良い”契約だ。

 NBAチームはそれぞれ、最大15人の選手と契約を結んでレギュラーシーズンとプレーオフを戦うのだが、2way契約を結んだ選手は15人までのロースター枠に含まれず、各チームが最大2人までこの契約を結ぶことができる。

2way契約のなかった2004年、サンズと契約を結んだ田臥は、開幕ロースターに生き残り、4試合に出場した[写真]=Getty Images

 2way契約を結んだ選手は、それぞれのチーム傘下のGリーグチーム(下部組織)に所属する選手でありながら、シーズン中で最大45日までNBAチームに所属することができる。この45日間というのはあくまでシーズン中のため、毎年9月下旬から始まるトレーニングキャンプや10月上旬から始まるプレシーズンは該当しない。よって、よほどのことがない限り、渡邊はグリズリーズのトレーニングキャンプに参加できることとなる。

 この場合のサラリーは、Gリーグの所属日数に応じた最大7万7,250ドルで、NBAチームに所属した日数に応じて、NBAルーキーの最低サラリー(最大38万5,000ドル/今季の場合)の日割り分を受け取ることができる。だが2way契約を結んだ選手のサラリーは、サラリーキャップに計上されないシステムだ。

渡邊がNBAのコートに足を踏み入れるチャンスはあるのか?

 そしてこの2way契約を結んだ選手たちがNBAの試合に出場するためには、所属チームからコールアップされる必要がある。Gリーグでプレーしている選手のうち、2way契約を結んでいない選手ならば、NBA全30チームからコールアップされてプレーできるチャンスがあるのだが、2way契約を結んでいる選手の場合、契約を結んだチームからでなければNBAでプレーすることができない。

2014年にマブスと契約した富樫は、Dリーグ(現Gリーグ)のテキサス・レジェンズでプレーするも、NBA入りならず[写真]=Getty Images

 よって、今季中に渡邊がグリズリーズの選手としてプレーできるとすれば、2つの条件が考えられる。1つはグリズリーズ傘下のGリーグチーム、メンフィス・ハッスルでインパクトを残し、グリズリーズのフロント陣にその活躍を認められてコールアップされる場合。もう1つは、グリズリーズで渡邊のポジションとなるフォワードやガードの選手にケガ人が続出してしまい、代役として渡邊が招集される場合だ。

 これまで、日本人でNBAチームと契約を結んだことがあるのは渡邊を入れて3人のみ。2004年にフェニックス・サンズと契約を結び、4試合に出場した田臥勇太(現栃木ブレックス)、14年にダラス・マーベリックスと契約した富樫勇樹(現千葉ジェッツ)、そして渡邊となる。その中でも、渡邊には非常に大きな期待がかかる。2way契約とはいえ、7月の時点で2年契約を得たことは、田臥と富樫よりも早いことは明らか。

 約2年前にBリーグが開幕してからというもの、“元NBAプレーヤー”という豪華な肩書きが多方面で飛び交っているが、日本人でこの称号を正式に持っているのは田臥のみ。残念ながら、まだ富樫はNBAのコートに立てていないからだ。

 だからこそ、渡邊がグリズリーズの一員としてNBAの試合に出場し、史上2人目の日本人NBAプレーヤーとなる日が待ち遠しい。

トレーニングキャンプ前に契約を結んだ渡邊。206センチというサイズはNBAでも十分通用するだけに期待は高まるばかりだ[写真]=Yasushi KOBAYASHI

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