“イースト最強選手”と称されるヤニス・アデトクンボ「チームをより良い成績に導く」

今季のアデトクンボは、自身初となるプレーオフ1回戦突破を最低限果たしたいところ[写真]=Getty Images

プレーオフでイーストを制さなければ、“真の最強選手”とは認められない?

 今年2月に行われたNBAオールスターゲームのファン投票で、ミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボは253万211票を獲得。これはリーグ全体でも2位に入るもので、キャリア5シーズン目となった昨季、アデトクンボは世界的な人気を得ることとなった。

 すると今年7月、昨季まで8年連続でイースタン・カンファレンスを制してきたレブロン・ジェームズがロサンゼルス・レイカーズへと移籍したことで、「アデトクンボはイースト最強の選手」という声も聞こえてくるようになった。

今年2月のオールスターファン投票でトップだったレブロン(左)と2位のアデトクンボ(右)[写真]=Getty Images

 レブロンが今年行われたオールスターゲームのファン投票で、唯一アデトクンボを上回る263万8,294票を獲得していたことを考えると、バックスの大黒柱を“イースト最高の人気選手”と語ることは決して間違いではない。

 では、アデトクンボを“イースト最強選手”と呼ぶのは正しいのだろうか。

 9月19日(現地時間18日)に現地メディア『Sports Illustrated』へ掲載されたインタビューで、アデトクンボはそのことについてこう語っている。

 「たくさんの人たちが、僕のことをイーストでベストだと言ってくれているのは知ってるよ。でも同時に、そうではないと言う人がいることも知ってる。だから僕としては、今後もハードにトレーニングして、自分のゲームを向上させていくこと、そしてチームをより良い成績へと導くことに集中している。僕らはできる限りたくさんの勝ち星を手に入れようとしているんだ」。

 昨季のアデトクンボは75試合に先発出場し、平均36.7分26.9得点10.0リバウンド4.8アシスト1.5スティール1.4ブロックとオールラウンドな成績を残した。得点とリバウンドは毎シーズン伸ばしており、昨季は自身初の平均ダブルダブルに到達。フィールドゴール成功率は52.9パーセントと高確率で、リング下においては76.1パーセントという驚異的な決定力を誇った。

 211センチの長身と221センチと言われるウイングスパンを持ち、スピードとクイックネス、ジャンプ力など高い身体能力も兼備したアデトクンボは、コートせましと暴れ回り、バックスをイースト7位の44勝38敗へと導き、2年連続のプレーオフ出場を果たした。

 しかし、アデトクンボのことを“イースト最強選手”と呼ぶのはまだ早いというのが現状だろう。というのも、昨季も含めてアデトクンボは過去3度のプレーオフ出場を誇るものの、イースト決勝進出どころか1回戦突破も成し遂げていないのである。

 レブロン移籍により、多くのチームがイーストを制してファイナル進出を狙う今季、アデトクンボ率いるバックスがどこまで勝ち上がることができるのか。リーグ屈指の実力者へと着実に階段を上がっているアデトクンボには、せめてイースト決勝まで勝ち上がっていただきたい。

バックスを優勝候補へと引き上げること、そしてアウトサイドシュートの向上が今季のアデトクンボには求められる[写真]=Getty Images

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