2018.03.22
ミルウォーキー・バックスの主砲ヤニス・アデトクンボは、2月15日(現地時間14日)終了時点で、平均27.6得点10.4リバウンド4.7アシスト1.4スティール1.3ブロックという好成績を記録。23歳にして、アデトクンボはバックスのレジェンドと称されてもおかしくはない数字とインパクトを残している。
2月16日(同15日)、現地メディア『USA TODAY Sports』に掲載されていた記事には、アデトクンボに関する複数名のコメントがあった。
「彼はコート上で何ができるのかを理解したうえで、NBAキャリアをスタートさせた」——ジョン・ホースト(バックスGM)
「彼はいつも信じられないようなプレーをする。それに毎年シューターとして着実に良くなっている。プレーメーカーとしても成長しているね。そして、より強じんになったことで、ポストアップゲームもより効果的になってきた。彼は他の選手と比べて、大きな違いを生み出す存在だ」——スタン・バン・ガンディ(デトロイト・ピストンズHC)
「ヤツが初めてミルウォーキーに来たとき、コーチ陣は1対1をするように言ってきた。その時は俺がぶっ飛ばしてやった。でもそれ以来ずっと負けている」——ジョン・ヘンソン(バックスのチームメート)
「ある夜、俺がジムに行ったら、彼は20分くらいシューティングをしていた。そのあとの15分間、ダーク・ノビツキー(ダラス・マーベリックス)、ケビン・ガーネット(元ミネソタ・ティンバーウルブズほか)、ポール・ピアース(元ボストン・セルティックスほか)たちをまねたのか、今まで見たことがないような動きをしていた。それに彼はディフェンスの練習もしていたんだ。自ら率先してディフェンスの練習をするヤツなんていないのにね。こいつはすごいと思ったよ」——ジェイソン・テリー(バックスのチームメート)
アデトクンボは“練習の虫”として知られ、試合を終えても試合映像を見たり、ジムでトレーニングをしたり、ワークアウトをしている。
だが、そもそもアデトクンボの父親はサッカー選手だった。アデトクンボが父、そして兄タナシス(現ギリシャのパナシナイコス)と初めてバスケットボールをプレーした時も「父さんはサッカー選手だからね。バスケットボールについては何も知らなかったんだ」と語っていた。
幼い頃のアデトクンボにとって、バスケットボールは夢中になるようなスポーツではなかった。「練習には行ったけど、好きにはなれなかった。サッカー選手になりたかったから」とアデトクンボ。
そんなアデトクンボのバスケットボールに対する価値観を一変させたのは、1990年代後半から2000年代に一世を風靡したアレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)だった。
「彼はコーンロウ(髪を堅く三つ編みにして頭皮にぴったり並べるヘアスタイル)でショーツを身につけていた。俺は何度も彼が映っているビデオを見ては、同じムーブができるようにと練習したんだ。13、14歳くらいだったかな。それがバスケットボールの虜になった時さ。その頃は彼と同じくらいの身長(約183センチ)だったけど、そこから今の身長まで伸びた理由はわからないね。当時はナゲッツに所属していた時のアイバーソンのシャツを着て、彼みたいな動きをコートでプレーしてやろうと必死にまねしたよ」とアデトクンボ。
NBA入りして5シーズン目をプレーするアデトクンボ。選手として年々進歩を遂げている男が、今後見据える選手像について語った。
「俺は一日一日、すべてのことを取り入れようと努めている。今から5年後、俺はチームに勝利をもたらし、すべての面において弱点のないゲームができる選手になっていたい」。
アデトクンボのNBAキャリアはまだまだ続いていく。今季ここまでの成績だけを見ると、全盛期なのかという錯覚に陥ってしまいがちだが、まだ23歳。これからどんな選手へと進化していくのか。
もしかすると、バスケットボールのルールさえも変えてしまうほどの選手になっていくのかもしれない。
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