昨季同等の豪華戦力で覇権奪取を狙うロケッツ/NBA2018-19開幕特集⑨注目チーム10選 Vol.5

昨季のシーズンMVPハーデン。今季のゴールはもちろん優勝だ[写真]=Getty Images

世界最高のプロバスケットボールリーグ、NBAの2018-19シーズンが10月17日(現地時間16日)に幕を開けた。82試合という約半年におよぶレギュラーシーズンを楽しむべく、バスケットボールキングではカンファレンス プレビューや注目チーム、プレーヤーランキングなどをお届けしていく。

NBA2018-19シーズン開幕特集⑨注目チーム10選 Vol.5
昨季同等の豪華戦力で覇権奪取を狙うヒューストン・ロケッツ

 注目チーム第5弾は、昨季リーグトップの65勝を残し、NBAファイナル進出まであと1勝に迫ったロケッツ。3ポイントを多用するハイスコアリングチームが見据えるのはもちろん優勝。昨季達成できなかった目標を果たすべく、豪華戦力で今季を迎える。まずは今オフの動向をチェックしていこう。
※データは現地時間10月15日現在、G=ガード、F=フォワード、C=センター、FA=フリーエージェント

■新加入
カーメロ・アンソニー(F)
マイケル・カーター・ウィリアムズ(G)
マーキーズ・クリス(F)
ゲイリー・クラーク(F/2way)
ビンセント・エドワーズ(F/2way)
ジェームズ・エニス三世(F)
アイザイア・ハーテンスタイン(F-C)
ブランドン・ナイト(G)

カーメロはプレシーズン4試合に出場し、平均13.0得点。3ポイントも成功率5割で平均3.0本も決める見事なシュート力を見せつけた[写真]=Getty Images

■残留
クリント・カペラ(C)
エリック・ゴードン(G)
ジェラルド・グリーン(G-F)
ジェームズ・ハーデン(G)
ネネ(C-F)
クリス・ポール(G)
PJ・タッカー(F)
ジョウ・チー(F-C)

■退団
ライアン・アンダーソン(F/フェニックス・サンズ)
トレバー・アリーザ(F/フェニックス・サンズ)
タリック・ブラック(C/マッカビ・テル・アビブ)
マーケル・ブラウン(G/トルコ)
RJ・ハンター(G/アトランタ・ホークス)
アーロン・ジャクソン(G/中国)
ジョー・ジョンソン(F/FA)
ルーク・バー・ア・ムーテ(F/ロサンゼルス・クリッパーズ)
チナヌ・オヌアク(C/FA)

■予想スターター
PG>クリス・ポール
SG>ジェームズ・ハーデン
SF>ジェームズ・エニス三世
PF>PJ・タッカー
C>クリント・カペラ

ハーデン(左)とポール(右)はリーグ最強のバックコートデュオと言っても過言ではない[写真]=Getty Images

破壊力抜群のオフェンスが最大の武器

 ポール、ハーデン、カペラを軸に、スモールフォワードには新加入のエニス三世、パワーフォワードには昨季後半から先発入りしたタッカーが入るだろう。カーメロはベンチスタートで開幕を迎えると予想。ベンチにはそのカーメロだけでなく、ゴードンやクリス、カーター・ウィリアムズ、ネネと充実。ナイトは左膝負傷のためリハビリ中ながら、復帰すればコンボガードとして活躍することだろう。

 昨季はフィールドゴール試投数のうち、半数以上が3ポイントというNBA史上初の珍現象を巻き起こしたロケッツは、今季も3ポイントを多用するスタイルを継続している。プレシーズン5試合で放った3ポイントはなんと平均50.4本。しかもフィールドゴール試投数のおよそ6割に迫るほどの長距離砲を、40.1パーセントという高確率で沈めている。

 もちろん、これはあくまでプレシーズン中のスタッツのため、レギュラーシーズンではそのとおりにはいかないだろう。それでも、ハーデンやタッカー、カーメロにポールといった主要選手たちが4割以上の成功率を残しており、相手チームからすれば本当に嫌な相手と思われているに違いない。

 気になるカーメロのプレーだが、ハーデンとポールというリーグ有数のプレーメイカーがいることもあって、快適にプレーしているように見える。スモールラインナップではセンターとして出場し、今夏に鍛え上げた肉体を駆使してポストのディフェンスでも奮闘していたことから、試合終盤にはカペラやタッカーとプレータイムを分け合いながら、コートに出てくることになりそう。

 ハーデン、ポール、さらにはカーメロがいることから、オフェンス面では特に問題はないだろう。

ディフェンス面の強化とベテランへの配慮が覇権奪取のカギ

 今季のロケッツにおいて、やはり心配なのはディフェンス面か。アリーザとバー・ア・ムーテが移籍したことで、ディフェンスの弱体化がささやかれており、プレーオフに向けてこの点が不安材料となるかもしれない。

新加入のエニス三世には、ディフェンス面に期待がかかる[写真]=Getty Images

 この点でカギを握るのは新加入のエニス三世とタッカー、そして198センチの長身ガード、カーター・ウィリアムズの働きにも注目したい。インサイドにはカペラというリムプロテクターがいるものの、ペリメーターで彼らが相手チームのスコアラーをどれだけ抑え込むことができるかがポイントとなる。

 昨季のプレーオフ、ゴールデンステート・ウォリアーズとのカンファレンス・ファイナルでロケッツが3勝2敗と王手をかけた要因の一つが、フィジカルコンタクトを駆使したプレッシャーディフェンスだった。ポール、ハーデン、ゴードン、タッカーを中心とするスモールラインナップは、王者を大いに苦しめたからこそ、今季も継続していきたいところ。

 また、ロースターにはキャリア10年以上を誇るベテランが5人おり、経験豊富な反面、長いシーズンを乗り切り、プレーオフでベストなパフォーマンスをするためには休息も必要となる。特にポールをシーズン中に酷使せぬよう、慎重に起用してシーズンの山場を迎えたい。
https://twitter.com/HoustonRockets/status/1051095214671065089

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