ピストンズ移籍後、ケイシーHC就任を経てポイントフォワードへ転向
それは突然の出来事だった――。
ロサンゼルス・クリッパーズの得点源として7シーズン以上プレーし、平均21.6得点9.3リバウンド4.2アシストを残していたブレイク・グリフィンは、今年1月30日(現地時間29日)に突如としてクリッパーズと決別。トレードでデトロイト・ピストンズへとトレードされることとなった。
クリッパーズは昨年夏、グリフィンと5年総額1億7,300万ドル(現在のレートで約195億4,900万円)で再契約を結んでいたものの、わずか半年で放出。近年は比較的ケガが多かったこと、そしてクリッパーズが変化を求めていたこともあり、シーズン途中に新天地へ向かったのである。
2月2日(同1日)のピストンズデビュー戦で、グリフィンは24得点10リバウンド5アシスト2ブロックを記録し、早速チームの勝利に貢献。ピストンズはグリフィン加入後、4戦無敗と白星を量産していった。
しかし、第3の得点源かつ司令塔のレジー・ジャクソンがベストコンディションではなく、グリフィン自身も右足首の負傷によりシーズン終盤を欠場。ピストンズは昨季、イースタン・カンファレンス9位(39勝43敗)に終わり、プレーオフ出場を逃した。
すると今オフ、ピストンズはスタン・バン・ガンディHCを解任し、ドウェイン・ケイシーを新たな指揮官として迎えた。昨季までトロント・ラプターズを7シーズン指揮し、5シーズン連続でプレーオフ出場へと導いてきたケイシーは、グリフィンに対して“ポイントフォワード”としての役割を要求。
今季、グリフィンはピストンズにおいて得点やリバウンドだけでなく、ボールハンドリングとパサーとしてのスキルを活かし、オールラウンダーを務めることとなった。
キャリアベストと呼べる活躍を続ける今季のグリフィン
こうして迎えたキャリア9年目の今季、グリフィンはキャリアハイと呼べるパフォーマンスを見せている。26日(同25日)終了時点で平均24.8得点はキャリアベスト。さらに9.9リバウンド5.1アシストをマークし、ピストンズのエースとして大活躍。
10月24日(同23日)のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦で、グリフィンはキャリアハイの50得点と大暴れ。11月22日(同21日)のヒューストン・ロケッツ戦では37得点を奪うも、終盤に喫した2本を含む計9ターンオーバーを犯してしまいチームは惜敗。すると24日(同23日)の再戦でグリフィンは28得点に4ターンオーバーとミスを抑え、ピストンズが延長の末に116-111でリベンジを果たした。
その後ピストンズは26日(同25日)に行われたフェニックス・サンズ戦にも勝利し、イースタン・カンファレンス4位の10勝7敗と好調を維持。
ピストンズ加入2シーズン目を迎えたグリフィンは、とても上機嫌なようだ。25日(同24日)に現地メディア『The Los Angeles Times』へ掲載された記事の中で、グリフィンはこう語っている。
「(今はトレードが起きて)良かったと感じている。LAで応援してくれたファンのことを残念に思わないと言っているわけではない。(LAには)何人か最高のファンがいたし、とても仲良くしていたファンもいた。俺としても、(移籍したことで)寂しく思うこともある。でも、新たにスタートする時だったということ。俺はデトロイトにいることができてうれしく思ってる。まるで天国のようなものさ」。
すばらしい環境に身を置いたグリフィン。2016年を最後にプレーオフから遠ざかっているピストンズの完全復活は、この男のパフォーマンスがカギを握っていると言っていい。
今後も活躍を続けていくことができれば、15年以来6度目のオールスター選出も現実味をおびてくることだろう。