渡邊雄太選手の勇姿を一目見ようとツアーは出発
12月6日、日本を出発した「渡邊雄太公式応援ツアー」一行は、ダラス・フォートワース国際空港を経由して、目的地のテネシー州メンフィスへ現地時間6日(日本時間7日)正午前に予定通り到着。参加者は荷物を受け取った後、メンフィスゆかりの故エルビス・プレスリーの旧宅が保存されているグレースランド(プレスリー記念館)などを観光して、ホテルにチェックインした。
夕食後、ホテルのロビーに集合した一行は、このツアーのクライマックスの一つ、渡邊選手との交流会のために、その時を待っていた。「どんな車でホテルに乗り付けるのだろうか?」などと皆さんは想像していた模様だが、それを裏切るがごとく、徒歩でひょっこりとやってきた渡邊選手。聞くところによると、Gリーグの選手はホテルの近くに住んでいるとのことだが(渡邊選手曰く、マルク・ガソルやマイク・コンリーのようなスーパースターは車で20分くらいの高級住宅地に住んでいるとのこと)、しかも予定の時間より10分も早く現れた渡邊選手の謙虚な振る舞いに、ツアー一行はハートを射抜かれてしまったようだ。
交流会では渡邊選手がその場でサインを入れたTシャツを各自がゲット。その後は写真撮影会、さらに参加者からの質問に渡邊選手が丁寧に答えるなどしてより交流を深め、予定の1時間はあっという間に過ぎてしまった。
気になる存在は大谷翔平
それでは交流会で行われたQ&Aの一部を紹介しよう。
――ここまでNBAの選手とマッチアップをしてきて、得意のディフェンスで止めたいと思う、思った選手は誰ですか?
渡邊 今、一番思っているのはクリス・ポール(ヒューストン・ロケッツ)です。プレシーズンの試合でしたが、“スコッ”と抜かれてしまったので、次はしっかりブロックしたいと思います。でもまず自分がベンチに入れるかどうかですね(笑)。
――NBAの中でどのような選手になりたいというイメージを持っていますか?
渡邊 ユタ・ジャズのジョー・イングルスです。僕と同じ左利きですし、身長も同じぐらい。彼もディフェンスがすごく上手で、シューターなんです。彼のような選手を目指してます。
――子供の頃、目標にしていた選手は誰ですか?
渡邊 コービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)がずっと大好きだったのですが、もう引退しちゃったので。彼が引退したくらいからあんまり、「この人が大好き」という選手はいなくなりました。先程のお話したイングルス選手の映はよく見て、勉強などもしてましたけど。コービーの時みたいに熱狂的なファンはいなくなりました。
――それはNBAが自分の戦うフィールドであり、誰か憧れてる自分は嫌とか、戦う相手として見られないようになったからですか?
渡邊 それもあると思いますし、それより前から選手を憧れみたいな目ではもう見てなかったので。大学でプレーしていた時からNBAが自分の中で少しずつ近づいてきて。その中で憧れの存在にならなくなったかもしれません。
――バスケ以外のスポーツ選手で、注目している選手や気になる存在はいらっしゃいますか?
渡邊 大谷翔平選手(MLBロサンゼルス・エンジェルス)です。同い年ですし、アメリカで活躍していているので。実際にお話をしたことはないのですが、こちらも同じ年の水泳の瀬戸大也(ANA)君とは友達なので、よく話す機会があって。瀬戸君と大谷君との会話で僕のことが話題になっているらしいのです。近いうちに話す機会があればと思っています。
また会では、新婚旅行を兼ねてこのツアーに参加した坂田亮・みか夫妻に渡邊選手がサプライズでサイン入りバッシュをプレゼント! 言葉どおり突然手渡されたオンリーワンの逸品に坂田夫妻はびっくりした表情を見せていた。
「サイン入りのバッシュをいただけるなんて、本当にびっくりしました。もう履きませんよ! 大切に飾っておきます(笑)」とご主人の亮氏。「(渡邊選手の)顔が小さくてびっくりしました」とは奥さんのみかさん。「新婚旅行の良い記念になりました」と、感激ひとしおの表情が印象的だった。
一行は2日目となる12月7日、グリズリーズのバックヤードツアーに参加後、渡邊選手が所属するGリーグ、メンフィス・ハッスルの試合を観戦する。「日本からの応援が力になっています」と交流会で語っていた渡邊選手。より一層の活躍を期待するしかない。
取材・文=入江美紀雄