2月18日(現地時間17日)にノースカロライナ州シャーロットのスペクトラム・センターで行われる「NBAオールスターゲーム2019」。オールスターの出場選手が発表され、開催が刻一刻と近づいてきている。そこでバスケットボールキングでは、68回目となるオールスター出場選手紹介に加え、オールスターにまつわる記録や大盛り上がりしたイベント、印象的なゲームや選手なども順次お届けしていく。
<オールスター特別企画①>
初のドラフト制を導入した2018年のオールスターをプレーバック
2016-17シーズン終了後、ジミー・バトラー(現フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)がシカゴ・ブルズからミネソタ・ティンバーウルブズへ、ポール・ジョージがインディアナ・ペイサーズからオクラホマシティ・サンダーへ移籍するなど、イーストからウエストへオールスター選手が流出。西高東低に拍車がかかったこともあり、2018年のオールスターゲームは従来のイースト対ウエストの構図から新たなフォーマットを導入。
それは各カンファレンスにおけるファン投票でトップに立った選手をキャプテンとし、スターター枠、そしてリザーブ枠で選出されたそのほかのオールスター選手をキャプテンが交互にドラフト指名して独自のチームを構成するというものだった。
これにより、所属カンファレンスが異なるためにオールスターでチームメートになれなかった選手たちや、元チームメート同士がオールスターという祭典で共にプレーすることが可能となった。昨年キャプテンを務めたのは、クリーブランド・キャバリアーズのレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)とゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリーだった。では、昨年2月19日(同18日)にロサンゼルスのステープルズ・センターで行われた「NBAオールスターゲーム2018」のロースターから振り返ってみよう。
■TEAMレブロン出場選手一覧(所属は当時のもの/太字はスターター)
レブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ)
ケビン・デュラント(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)
ラッセル・ウェストブルック(オクラホマシティ・サンダー)
カイリー・アービング(ボストン・セルティックス)
アンソニー・デイビス(ニューオーリンズ・ペリカンズ)
ポール・ジョージ(オクラホマシティ・サンダー)
アンドレ・ドラモンド(デトロイト・ピストンズ)
ブラッドリー・ビール(ワシントン・ウィザーズ)
ビクター・オラディポ(インディアナ・ペイサーズ)
ケンバ・ウォーカー(シャーロット・ホーネッツ)
ゴラン・ドラギッチ(マイアミ・ヒート)
ラマーカス・オルドリッジ(サンアントニオ・スパーズ)
※出場選手変更(ケガのため)
デマーカス・カズンズ(ニューオーリンズ・ペリカンズ)→ポール・ジョージ
ケビン・ラブ(クリーブランド・キャバリアーズ)→ゴラン・ドラギッチ
クリスタプス・ポルジンギス(ニューヨーク・ニックス)→ケンバ・ウォーカー
ジョン・ウォール(ワシントン・ウィザーズ)→アンドレ・ドラモンド
■TEAMステフィン出場選手一覧(所属は当時のもの/太字はスターター)
ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)
ジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)
デマー・デローザン(トロント・ラプターズ)
ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)
ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)
カイル・ラウリー(トロント・ラプターズ)
クレイ・トンプソン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)
デイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)
ドレイモンド・グリーン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)
カール・アンソニー・タウンズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)
アル・ホーフォード(ボストン・セルティックス)
ジミー・バトラー(ミネソタ・ティンバーウルブズ/出場せず)
大好評となったドラフト制1年目、TEAMレブロンが接戦を制す
オールスターゲームを前に、カズンズとラブ、ポルジンギス、ウォールがケガのため欠場。フルメンバーで本戦を迎えることはできなかったものの、これまでとは異なるドラフト制を取り入れたこともあり、話題には事欠かなかった昨年のオールスター。
レブロンはキャブス在籍時の16年に共に優勝を勝ち取ったカイリーや、国際大会ではチームメート、NBAファイナルでは対戦相手として何度も競い合ってきたデュラントらをドラフト。レブロンは初の試みとなったドラフト制について、『ESPN』をはじめとする複数の現地メディアへこう語っていた。
「俺とステフがそれぞれのチームのキャプテンとなって、ドラフトするなんて、これまで経験したことのないものだった。コミッショナー(アダム・シルバー)のすごいところは、新しいこと、フォーマットを変えることに挑戦したことだと思う。そのお陰で選手たちに限らず、リーグやファンといった、皆にとってすばらしいウイークエンドになった」。
ロースターを見た限り、「TEAMレブロン」の方が強いようにも思えたが、「TEAMステフィン」もカリーやリラード、エンビードやハーデンらが盛り立て、終盤には一進一退の激戦へと発展。
残り1分30秒にレブロンがエンビードの上からステップバック3をねじ込み、144-144のタイスコアに持ち込むと、残り34.5秒にはウェストブルック、カイリーを経由して決勝弾となるレイアップをレブロンが放り込み、最終スコア148-145で「TEAMレブロン」が制した。
最年長ながら圧巻のパフォーマンスでMVPを獲得したレブロン
試合を決定づけたプレーについて、カイリーはこのように説明していた。
「僕は(ウェストブルックと)何度かプレーしたことがあるんだ。ラスがドライブしている時に、僕はチャンスだと思ってバックドアでカットしたんだ。ラスが僕にパスする前に、レブロンがリム付近へ向かっていたのを見ていた。彼はリム付近において、ベストフィニッシャーの1人だからね。彼にボールを託してショットを決めてくれたのさ」。
レブロンもかつてのチームメート、カイリーについて「目を見張るものがあった。彼の持つ華やかさ、ボールハンドリング、シュート力をコートでまた見ることができて最高だった。間違いなくすばらしい瞬間さ」と称賛のコメント。
ゲーム終盤には、逆転のショットを狙うカリーへレブロンとデュラントという現役最強と言っても過言ではない超強力デュオがダブルチームで襲い掛かるなど普段のオールスターでは見ることができないシーンも飛び出し、世界中を盛り上げた。
MVPはゲームハイとなる29得点に10リバウンド8アシストを残したレブロンが獲得。33歳のレブロンは、この日コートに立ったオールスター選手の中で最年長ではあったものの、勝負どころの決定力だけでなく、鮮やかなアシストや豪快極まりないダンクなど何度も見せ場を作り、この日最も輝いていたのは間違いない。レブロンは昨年のオールスターゲーム終了後、自信満々にこう言い残していた。
「いいかい。俺は若い選手たちのことをリスペクトしているし、彼らのことが大好きなんだ。彼らは次世代をけん引する存在だからね。一方で、俺は自分の身体をケアすることにプライドを持ってる。毎晩プレーできることができるようにして、もっともっと向上できるように努めている。俺はまだハイレベルでプレーできることを示しているのさ。だからとてもいい気分だね」。
勝利した「TEAMレブロン」では、レブロンのほかにデュラントが19得点6リバウンド5アシスト3スティール、ジョージが16得点5リバウンド4アシスト、ドラモンドとビールがそれぞれ14得点、カイリーが13得点7リバウンド9アシスト、デイビスが12得点、ウェストブルックが11得点8リバウンド8アシスト、ケンバが11得点を奪取。
敗れた「TEAMステフィン」では、デローザンが21得点6リバウンド、リラードが21得点、エンビードが19得点8リバウンド2ブロック、タウンズが17得点10リバウンド、アデトクンボが16得点7リバウンド、トンプソンが15得点、ハーデンが12得点7リバウンド8アシスト、カリーが11得点6リバウンド5アシスト、ラウリーがゲームハイの11アシストを残した。