カペラ復帰でオールスター明けにフルメンバーがそろうロケッツ
オールスターブレイクの時点で、ヒューストン・ロケッツは33勝24敗でウエスタン・カンファレンス5位。現状維持することができればプレーオフ出場は可能と見ることもできるが、今季のウエストは例年以上に団子レースが続いている。
ウエスト4位のポートランド・トレイルブレイザーズ(34勝23敗)とはわずか1.0ゲーム差、6位のユタ・ジャズ(32勝25敗)とも1.0ゲーム差という大混戦のため、1試合の勝敗で順位が変動したとしても決しておかしくはない。
今季のロケッツは、ここまでオフェンスではリーグ11位の平均113.1得点。オフェンシブレーティング(100ポゼッションあたりの得点)ではリーグ2位の114.3得点とリーグトップレベルにいる。
ところが、ディフェンスでは平均111.1失点でリーグ14位。ディフェンシブレーティング(100ポゼッションあたりの失点)で見ていくと、112.2失点でリーグ25位。リーグ下位にまで沈んでいる。
リーグ6位の105.4失点を記録した昨季のディフェンシブレーティングから大幅にダウンしている、というのが現状だ。トレバー・アリーザ(現ワシントン・ウィザーズ)、ルーク・バー・ア・ムーテ(現ロサンゼルス・クリッパーズ)を失ったことが響いていることは確かだが、レギュラーシーズン終盤に向けて、強化しておきたい部分なのは間違いない。
ロケッツは2月8日(現地時間7日)のトレードデッドラインで、複数の選手を放出してサクラメント・キングスのベテランスイングマン、イマン・シャンパートの獲得に成功。シャンパートはディフェンスに定評のあるベテランで、プレーオフ経験71試合は魅力。2016年にはクリーブランド・キャバリアーズで優勝も経験しており、今後に向けて貴重な戦力となるだろう。
シーズン中にも、ロケッツはコンボガードのオースティン・リバース、身体能力の高いビッグマン、ケネス・ファリードを獲得。右手親指のじん帯損傷により、1月中旬から戦列を離れていたセンターのクリント・カペラも22日(同21日)のロサンゼルス・レイカーズ戦から復帰予定のため、ここにきてロケッツはようやくフルメンバーがそろうこととなる。
両選手が挙げたカギはトランジションとリバウンド、コミュニケーション
そこで気になるのは、ディフェンス面の改善。21日(同20日)に、現地メディア『The Athletic』の記者がジェームズ・ハーデンとPJ・タッカーへ、「ディフェンス改善のために必要なことは何ですか?」という質問を投げかけた。
ここでは、両選手の回答を紹介したい。
まずはハーデン。「トランジションで俺たちはしっかりと戻っているか、あとはリバウンドをつかみ取ること。俺たちはハーフコートディフェンスをしっかり遂行しないといけない。それができていればきわめていいチームだから。だが俺たちがディフェンス時にトランジションで戻れず、オフェンシブ・リバウンドも奪われてしまうと(勝利するのは)難しくなってしまうんだ」と切り返した。
一方のタッカーは「コミュニケーション」を挙げた。「俺たちは互いにコミュニケーションを増やしていくことが必要。ディフェンス面でもコミュニケーションに一貫性を持つことだと思う」とコメントしている。
ハーデンやタッカー、クリス・ポールにエリック・ゴードン、カペラといった主軸は昨季も一緒にプレーしているため、コミュニケーションについては特に問題はないだろう。ただし、今季途中から加入したリバースやファリード、シャンパートといった選手たちは、今後さらにロケッツのシステムになじみ、試合中でもコミュニケーションを欠かさずにプレーしていくことが、躍進へのカギとなりそうだ。