KDを混雑したスペースへ誘いつつ、ボールに触れさせないディフェンスを披露
2000年代後半から昨季にかけて、タフなディフェンダーとして高い評価を得ていたトニー・アレン(現未所属)。オールディフェンシブチーム選出6度を誇るアレンは、コービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)を筆頭に、数多くのトップスコアラーたちを苦しめてきた。
4月17日(現地時間16日)、アレンは『Chris Vernon Show』に出演し、タフで粘着気質なディフェンダーとして知られるパトリック・ベバリー(ロサンゼルス・クリッパーズ)のディフェンスについて語っていたので紹介したい。
ゴールデンステイト・ウォリアーズとのファーストラウンドでは、公称206センチ(実際は213センチ前後)のケビン・デュラントとマッチアップすることも多いベバリー。185センチ83キロのワードワーカーは、第1戦で3得点7リバウンド7アシストを挙げるも終盤にデュラントと共にダブルテクニカルファウルを科されるなど退場処分。だが第2戦では10得点5アシストをマークし、NBAプレーオフ史上最大となる31点差からの大逆転勝利に貢献。
ベバリーが見せるデュラントへのディフェンスについて、アレンは「コート上を支配する大きい選手たちにとって、その影響力を少なくさせるのは(選手たちが)込み合ったスペースなんだ」と自身の見解を述べると、このように続けた。
「パトリック・ベバリーが(デュラントに対して)やっているのはまさにそれ。込み合った状況でボールを触らせないようにしている。フィジカル面を前面に押し出していると思う。2人による競争の範囲内だけど、ここまではベバリーが勝っていると私は見ている」。
2年連続のファイナルMVPを獲得しているデュラントは、第2戦では21得点をマーク。フリースローを12本獲得して11本決めたものの、ターンオーバーを9本も記録。さらに、ウォリアーズが2点リードしていた残り1分21秒で無念の6ファウルで退場。しかも最後の3ファウルはいずれもオフェンシブ・ファウルと、本来のパフォーマンスを発揮できなかった。
第2戦当日のシュートアラウンドで、「俺は自分に対して期待を寄せてくれているコーチやファン、オーナーたちを失望させたくない。ゲームを投げ出してしまって申し訳ないと思ってる。口を閉じて、ゲームにしっかり集中する」と語っていたものの、クリッパーズの術中にはまった形となった。
ここまでベバリーのデュラント対策は上々の成果を残しているだけに、19日(同18日)に行われる第3戦でも、ベバリー対デュラントの激しいマッチアップが展開されるに違いない。
リーグ史上最高級のスコアラー、デュラントがどのようなしっぺ返しを食らわせるのかが楽しみだ。