シクサーズにとってチーム一丸となって挑んだ第2戦
4月30日(現地時間29日)、フィラデルフィア・シクサーズとトロント・ラプターズによるプレーオフのカンファレンス・セミファイナル第2戦が、ラプターズのホームであるスコシアバンク・アリーナにて行われた。
ゲーム序盤、シクサーズのジョエル・エンビードがラプターズのマルク・ガソルとマッチアップし、ポストアップから攻撃を仕掛けるも、オフェンスの選択肢を奪われてターンオーバー。ガソルはミスマッチを利用してポストアップし、オフェンスのリズムを作るなどベテランらしい輝きを放つ。カイル・ラウリーやパスカル・シアカムも続き、安定した立ち上がりを見せた。
シクサーズは第1戦で45得点を許したカワイ・レナードを徹底マークしながら、ベン・シモンズのレイアップや、トバイアス・ハリスとジミー・バトラーの3ポイントシュートなど、主力選手たちがバランスよく加点。第1クォーターは26-17とシクサーズがリードして終了した。
第2クォーターは開始直後、JJ・レディックが3ポイント2本と2ポイントを3連続で決め、シクサーズが主導権を握る。ラプターズもディフェンスからトランジションを展開し、レナードが豪快なダンクを叩き込むが、シクサーズがリードを広げて、51-38でハーフタイムを迎えた。
後半、13点ビハインドを背負ったラプターズは反撃に出る。第3クォーター開始直後にレナードが3ポイントを沈めると、ガソルとのコンビネーションでダンクを叩き込んだ。さらにシアカムが3ポイントと2ポイントを決め、開始4分19秒で2-15のランを成功。その後も相手に迫り、69-63と6点差まで詰め寄った。
第4クォーターはシクサーズが再びリードを広げていくものの、ラプターズがホームで意地を見せる。終盤にラウリーがこの試合初めての3ポイントを決めると、次のポゼッションでもレナードのアシストから3ポイントを成功。さらにシアカムが外したシュートを自ら拾って押し込むと、残り46.7秒には90-89と1点差とする。
一時19点差の状況から追い上げ、ラプターズがホームで逆転するかと思われたが、シクサーズは胃腸炎を抱えながらもプレーするエンビードにオフェンスを託す。ポンプフェイクから右へドライブし、左ターンをしてゴール下で再びシュートフェイクを入れ、さらに左足で右サイドへステップインしてフィニッシュ。ラプターズは決まれば同点という3ポイントをダニー・グリーンが失敗し、シクサーズが94-89で勝利を収め、戦績を1勝1敗とイーブンにした。
アウェイで貴重な勝負を制したシクサーズは、シモンズが6得点7リバウンド5アシスト2スティール、エンビードが12得点6リバウンド5アシスト、ハリスが9得点11リバウンド、レディックが11得点を記録。そして30得点11リバウンド5アシストとオールラウンドに活躍したバトラーは、試合終了直後のインタビューにて、以下のようにコメントを残した。
「今夜は皆の活躍が勝利へとつながった。皆が懸命に戦い、今日はベストを尽くせたと思っている。レナードの素晴らしさはショットを決めることだ。だから我々は彼にタフショットを打たせようとしていたんだ。次戦は我々のホームへと移るが、ディフェンスをしっかりとこなすことで、勝利のチャンスを得られると思っている」
またシクサーズのブレット・ブラウンヘッドコーチも、「あれこそがバトラーだ。皆にとっての模範とすべき姿であり、彼が決めてくれる3ポイントはまるでロックのようで、気持ちが高揚する。そして彼は素晴らしいチームプレーヤーでもあり、仲間を鼓舞する場面もある。彼はチームにおける中心的な存在だ」と、試合後の会見にてバトラーを高く評価した。
敗れたラプターズは、シアカムが21得点7リバウンド4スティール、ガソルが5得点7リバウンド5アシスト1ブロック、ラウリーが20得点5リバウンド5アシスト、レナードが35得点7リバウンド6アシストをマーク。レナードが初戦に続いてスコアリングでチームに貢献し、ラウリーが終盤に連続3ポイントを決めるなどシクサーズを追い込んだが、あと一歩及ばず悔しい敗戦を喫した。
両チームによる第3戦は、5月3日(同2日)に、シクサーズのホームであるウェルズ・ファーゴ・アリーナにて行われる。