健康を取り戻したグリーンがプレーオフで持ち前の万能性をいかんなく発揮
ヒューストン・ロケッツとのウエスタン・カンファレンス・セミファイナルを2試合終えて、ゴールデンステイト・ウォリアーズは2連勝と絶好調。シリーズ突破に向けて好スタートを切った。
ウォリアーズのけん引役はやはりケビン・デュラント。シリーズ平均32.0得点に5.0リバウンド3.5アシスト1.0スティール1.5ブロックをマークし、ロケッツのジェームズ・ハーデンと並ぶシリーズトップの平均得点を記録している。
このシリーズ、ウォリアーズはステフィン・カリーとクレイ・トンプソンが右足首を痛めた状態で、カリーは第2戦で左手中指を脱臼しながらプレーしており、前者はシリーズ平均19.0得点、後者は平均17.0得点と、決して本調子ではない。
そんな中、貴重な働きで王者を支えているのがドレイモンド・グリーン。ウォリアーズが誇る驚異の万能戦士は、レギュラーシーズン(平均31.3分7.4得点7.3リバウンド6.9アシスト1.4スティール1.1ブロック)から調子を上げて攻防両面で見事なパフォーマンスを見せている。
ロサンゼルス・クリッパーズとのファーストラウンド第6戦で、グリーンはトリプルダブル(16得点14リバウンド10アシスト)に4ブロックと大暴れ。シリーズ全体でも平均35.5分12.0得点7.8リバウンド7.8アシスト1.0スティール1.8ブロックと、上々の成績。
そしてロケッツとの2試合では、デュラント(平均43.6分)、トンプソン(平均41.4分)に次ぐチーム3位のプレータイム(平均39.4分)を残し、14.5得点10.5リバウンド8.0アシスト1.5スティール、フィールドゴール成功率68.4パーセントという見事なパフォーマンスを見せている。
来季終了後に契約満了となるグリーンにとって、今夏はウォリアーズと延長契約を結ぶ最後のチャンス。今年に入ってエージェントをワッサーマン(アメリカのエージェンシーの1つ)のBJ・アームストロング(元シカゴ・ブルズほか)から『Klutch Sports』のリッチ・ポールへと切り替えたグリーンは、大型契約を狙っているというのがもっぱらのウワサだ。
5月2日(現地時間1日)に現地メディア『The Athletic』へ掲載された記事の中で、ウォリアーズのオーナー、ジョー・レイコブ氏がプレーオフで調子を上げているグリーンについて「彼はドレイモンド・グリーン。私は彼について心配していなかった。彼にはずっとここにいてほしい」と口にしていた。
今季終了後、そして来季終了後の動向はまだなんとも言えないが、グリーンは現状について『AP』へこのように語っている。
「すごくいい感じだ。今は俺のプレーを見せることができているよ。でもそこまでの道のりは長かったね。健康は俺のプレーにおいて大きな部分を占めるから。健康だといいプレーができるんだが、そうなるまでに長い時間がかかった。今は身体の調子も良く、大好きなゲームをプレーできているよ」。
今季終了後、ウォリアーズではトンプソンとデマーカス・カズンズが制限なしフリーエージェント(FA)、デュラントがプレーヤーオプション、ショーン・リビングストンがチームオプションとなるため、来季も現有戦力を保持できる可能性は決して高くはない。
トンプソン、デュラント、グリーンのうち、1人ないしは2人の再契約を断念することになるかもしれないだけに、ウォリアーズのフロント陣は頭を抱えていることだろう。