両チームの主力にアクシデントが起こる中、王者がリードを保持して2連勝

　NBA史上4チーム目の3連覇を目指し、プレーオフに臨んでいるゴールデンステイト・ウォリアーズは、ヒューストン・ロケッツとのカンファレンス・セミファイナル2戦を終えて無敗と、好調を維持している。

　5月1日（現地時間4月30日）に行われたシリーズ第2戦は、ジェームズ・ハーデン（ロケッツ）が第1クォーター途中にドレイモンド・グリーン（ウォリアーズ）の指が目に入ってしまい、試合後の会見で「ほとんど見えていなかった。まだぼやけて見えるくらいだ」と明かすほどのアクシデント。

　ウォリアーズではステフィン・カリーが同クォーター途中にクリント・カペラ（ロケッツ）からボールを奪おうとして左手中指を脱臼。骨折した箇所がなかったため、外れた関節を元の位置に戻し、テープで固定して試合に戻った。

　試合はホームのウォリアーズがロケッツに一度もリードを許さず、同点もたったの30秒と48分間をとおして優位に進め、最終スコア115－109で勝利。

　ウォリアーズでは今プレーオフ絶好調のケビン・デュラントが29得点に5リバウンド4アシスト2ブロック、クレイ・トンプソンが21得点5リバウンド3スティール、カリーが20得点5アシスト、アンドレ・イグダーラが16得点5リバウンド4アシスト、グリーンが15得点12リバウンド7アシストとスターター全員が15得点以上をマーク。

　一方のロケッツでは、ハーデンがデュラントと並ぶゲームハイの29得点に7リバウンド4アシスト、クリス・ポールが18得点7リバウンド6アシスト3スティール、エリック・ゴードンが15得点、カペラが14得点10リバウンド2ブロック、PJ・タッカーが13得点10リバウンドとこちらもスターター全員が2ケタ得点。ベンチからはオースティン・リバースが14得点を挙げるも、ウォリアーズのホームで2連敗を喫した。

ハイスコアリングバトルを続けるデュラント（右）とハーデン（左）[写真]=Getty Images

プレーオフで飛躍的に成績アップした頼れるベテラン、イグダーラ

　ロケッツとのシリーズに入ってから、ウォリアーズは“デス・ラインナップ”と呼ばれる最強の5人を先発で起用している。カリー、トンプソン、デュラント、グリーンに加えてベテランのイグダーラで臨んでおり、ここまではこの起用法が成功していると言っていいだろう。

　中でもキャリア15年目のイグダーラが好調をキープしていることは、チーム全体に好影響を与えているに違いない。

　というのも、イグダーラはレギュラーシーズンに残した平均23.2分5.7得点3.7リバウンド3.2アシストからプレーオフでその数字をアップさせている。ロケッツとの2戦を終えて平均27.6分11.3得点4.0リバウンド4.3アシスト1.0スティール1.1ブロックと絶好調。フリースロー成功率（45.0パーセント）こそ低いものの、フィールドゴール成功率55.6パーセント、3ポイント成功率37.9パーセントと上々の精度を誇っている。

　第2戦の出場時間帯における得失点差ではトンプソンと並んでトップの＋17を残しており、攻防両面において貴重な働き。イグダーラは昨年、ロケッツとのウエスト決勝で膝を痛めてしまい、第4戦から欠場を余儀なくされた。スティーブ・カーHCはイグダーラ欠場について「すべてを変える必要があった」と明かしていたことからも、この男の存在感は大きなものだったことが分かるはずだ。

カーHC（右）が絶大な信頼を寄せるイグダーラ（左）[写真]=Getty Images

　そんな中、2日（同1日）に地元メディア『NBC Sports Bay Area』へ掲載された記事の中で、イグダーラは自身の近況について語っていたので紹介したい。

「正直な話、これはあくまで僕個人の意見だけど、僕は実にいい遺伝子を受け継いだんだと思う。そして同時にその遺伝子をうまく保護しているのさ」とイグダーラが言及。そしてこのように続けていた。

「自分の身体をよく見ている。睡眠もきちんととっているし、水をたくさん飲んでるよ。僕は水以外の飲み物を口にしないからね。重要な役割をプレーしている僕には、自分の身体に何が必要なのかを把握する哲学のようなものがあるんだ。もちろん、僕個人のことに過ぎないけどね」。

　ウォリアーズとロケッツによるシリーズ第3戦は、ロケッツのホームに会場を移して5日（同4日）に行われる。シリーズ初勝利を狙うロケッツに対し、王者ウォリアーズが返り討ちを見せてシリーズ突破へ王手をかけることができるのか、注目していきたい。

ハーデン（左）へのディフェンスでも貢献する万能戦士イグダーラ（右）[写真]=Getty Images