2017年に殿堂入りしたトレイシー・マグレディが2001年のプレーオフを振り返る

バックスとの1回戦でシリーズトップの平均33.8得点をたたき出したマグレディ[写真]=Getty Images

バックスとの1回戦で両チーム最多の平均33.8得点を奪い、ビッグドッグも封殺

 現役時代、16シーズンのうち9シーズンでプレーオフ出場を果たし、2017年にはバスケットボール殿堂入りを果たしたトレイシー・マグレディ(元オーランド・マジックほか)は、主にリーグ有数のオールラウンダーとして活躍し、驚異的な得点力でも知られた。

 13年にはサンアントニオ・スパーズの一員としてマイアミ・ヒートとのNBAファイナルに2試合出場したものの、当時34歳のマグレディはすでにピークを超えており、ロールプレーヤーとしてプレー。約14分のプレータイムで3本のショットを放つもすべてミス。無得点に終わっていた。

 とはいえ、トロント・ラプターズ、マジック、ヒューストン・ロケッツの一員として出場したプレーオフでは、それぞれのチームで主力として活躍。特にマジックのエースとして出場した2001年のプレーオフでは、リーグトップの平均33.8得点と大暴れ。

 この年、カンファレンス・ファイナルまで勝ち進んだミルウォーキー・バックスを相手に、マジックはファーストラウンドで1勝3敗(当時は3戦先勝)で敗退したものの、マグレディはこのシリーズにおけるベストプレーヤーとして君臨していた。

バックスとのシリーズでは平均33.8得点6.5リバウンド8.3アシスト1.8スティール1.3ブロックの大活躍を見せたマグレディ[写真]=Getty Images

 203センチ95キロと均整の取れた身体で、ポイントガード並みのボールハンドリングとシュート力を兼備し、高い身体能力を誇ったマグレディは、フィールドゴール成功率こそ41.5パーセントと低かったものの、フリースローで多くの得点を奪取。唯一勝利した第3戦ではゲームハイの42得点に8リバウンド10アシスト3スティール2ブロックと、八面六臂の活躍を見せた。

 5月3日(現地時間2日)、現地メディア『ESPN』の“The Jump”に出演したマグレディは、グレン“ビッグドッグ”ロビンソン(元バックスほか)とのマッチアップについて語っていたので紹介したい。

「まず、勘違いしないでほしいんだけど、彼はすばらしいプレーヤーだった。当時リーグトップレベルのミドルレンジシューターの1人だった」と口にしたマグレディ。1994年のドラフト全体1位指名のロビンソンは、主にミドルレンジジャンパーを武器に平均20得点以上を稼ぎ、キャリア11シーズンで2度のオールスターに選ばれたフォワード。

マグレディ(左)は攻防両面でロビンソン(右)を圧倒した[写真]=Getty Images

 01年のプレーオフでマッチアップしたマグレディは、ロビンソンをシリーズ平均14.8得点、フィールドゴール成功率34.8パーセントに抑え込む好ディフェンスでシャットアウト。マグレディは当時のマッチアップについてこう振り返った。

「当時の俺は21歳で、マジックの一員として初のプレーオフだった。でも俺は彼をシャットダウンして見せた。俺はプライドを持って取り組んでいたんだ。皆は彼を“ビッグドッグ”と呼んでいたけど、あのシリーズに限ってみれば、ただの“パピードッグ(子犬)”さ。当時は失礼だとは思ってたけどね。ただ彼はタフだったし、俺は彼のことをリスペクトしていたことは確かだ。でもあのシリーズではそうじゃなかったということ」。

 マグレディは自身がエースとしてプレーオフに臨んだ際、ファーストラウンドを突破することができなかった。そのため、残念ながらチームを勝利へ導くという点では高い評価を得ることがなかった。

 それでも、攻防両面において自身のベストを尽くしてきたことだけは確かなようだ。

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