ファイナル第5戦に挑むラウリー、幼少期を支えてくれた母親と祖母について語る

NBAファイナル制覇に向けて、彼の闘争心はピークを迎えていくことだろう[写真]=Getty Images

揺るぎない闘争心を秘めるラウリー

 今季プレーオフにて、切れ味のあるドライビングレイアップや強気な3ポイントシュートを沈めるなど、要所で重要な活躍を見せるトロント・ラプターズのカイル・ラウリー。キャリア12年目にしてNBAファイナルに到達し、現在シリーズ3勝1敗と初優勝まであと1勝に迫っている。

 6月10日(現地時間9日)、現地メディア『ESPN』によると、ラウリーは記者からプレッシャーについての定義を求められると、「僕の母と祖母が耐え抜かなければならなかったこと、それのおかげで僕と僕の兄弟、そしていとこたちは食べていけたんだ」と神妙な顔つきで口を開き始めた。

 「朝5時に起きて仕事へ行き、僕にシリアルが入ったボールとミルクを与えてくれた。それらのことを通じて僕含めて兄弟や家族を養うということ……それが『プレッシャー』だ。それこそが僕にとっての『プレッシャー』だ」

 NBAファイナル第5戦を目前にして、多くの選手たちがそれぞれ何かしらのプレッシャーを抱えているかもしれない。その中でラウリーは自分の幼少期のこと、母親と祖母の犠牲があってこそ自分や家族が存在すると話した上で、その精神性に勝るものはないと定義。そして以下のようにコメントを続けた。

 「自分がこれまで目にしてきたものよりも、自分の子どもがより良いものと出会うという確信を得るために、そのためならどんなことでもやってみせるという意思だ。仕事へ行き、苦労を強いて働き、家族を養うためならあらゆる手段を尽くす。それが自分の守るべき存在を守るということなんだ」

 『プレッシャー』という言葉に対し、自身の経験を用いて己の人生の起源とも言える内容に触れたラウリー。その表情からは固い意志だけでなく、幼少期の自分の母親と祖母の献身的な働きかけが、今こうしてキャリア最高の大舞台の経験につながっているという感謝の想いと、ゆえにファイナル制覇に向けての揺るぎない闘争心が感じられた。彼がこのシリーズで、最良とも言える瞬間に立ち会えるかどうか、注目されることだろう。

モバイルバージョンを終了