キャリア12年と経験豊富な司令塔だが、今後2年で70億円以上と超高額年俸
6月21日(現地時間20日)に行われる「NBAドラフト2019」を前に、ニューオーリンズ・ペリカンズのフランチャイズプレーヤー、アンソニー・デイビスのトレードが合意に達し、ロサンゼルス・レイカーズへの移籍が決定した。
ペリカンズは今年のドラフトで全体1位指名権を保持しており、デューク大学1年のザイオン・ウィリアムソンを指名する可能性が高い。また、レイカーズから譲り受けた全体4位指名権は、他チームとのトレードに活用するかもしれないという。
そんな中、全体2位指名権を持つメンフィス・グリズリーズも、ドラフト前に大掛かりなトレードを断行する可能性がある。今年のドラフトで、グリズリーズはマレー州立大学のガード、ジャ・モラントを指名することが濃厚。
そこで浮上しているのが、今季まで12シーズンをグリズリーズ一筋でプレーしてきた司令塔マイク・コンリーの放出。今季途中にもトレードに関するオファーに耳を傾けてきたグリズリーズだったが、今年2月のデッドラインまでにトレードは成立せず、オフシーズンを迎えている。
31歳のコンリーは、今季70試合に出場し、キャリアハイとなる平均21.1得点に3.4リバウンド6.4アシスト1.3スティールを記録。ミスが少なく堅実で、平均20得点以上を挙げることが可能な得点力は魅力なのだが、サラリーが非常に高いため、トレードすることが困難だと言われている。
というのも、コンリーの現行契約は2020-21シーズンまで残っており、今後2シーズンで約6,700万ドル(約72億3,600万円)と超高額。今季は70試合に出場したとはいえ、ケガのため長期離脱してしまうというリスクも伴うだけに、獲得するチームはコンリーのコンディションについても慎重にならなければならない。
ドラフト前にトレードが成立する可能性がある中、複数チームが獲得候補に浮上
そんな中、現地メディア『The Athletic』のトニー・ジョーンズ記者が18日(同17日)にトレードでコンリーを獲得する筆頭候補として、ユタ・ジャズを挙げた。今季先発ポイントガードを務めたリッキー・ルビオは制限なしフリーエージェント(FA)となり、チーム側はすでにルビオとの再契約は「最優先ではない」と本人へ伝えており、ドノバン・ミッチェルとバックコートを組む司令塔を探しているというのが現状だ。
今月中旬に『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者が報じたところによると、コンリーについてはジャズの他にもボストン・セルティックス、インディアナ・ペイサーズの名前も挙がっており、マイアミ・ヒートやダラス・マーベリックス、フェニックス・サンズも獲得競争に名乗りを上げる可能性があるという。
もっとも、セルティックスが狙うのは、プレーヤーオプションを破棄して制限なしFAとなることが決まったカイリー・アービングが移籍した場合のみ。ペイサーズについてはブルックリン・ネッツの制限付きFA、ディアンジェロ・ラッセル獲得にフォーカスしているという向きもあり、コンリーが第一希望でないことから、ジャズが筆頭候補になっているのかもしれない。
ドラフト前、あるいは当日に大きな動きがありそうなNBA。コンリーはオールスターの選出経験こそないものの、リーダーシップに定評があり、人望の厚い司令塔。ディフェンスも悪くないだけに、獲得を望むチームがグリズリーズとの交渉でトレード合意に達することができるか、注目していきたいところだ。