今後2年で約86億円の超高額契約が残るポール、今季の成績は軒並み自己最低
今年7月中旬。“ポイントゴッド”ことクリス・ポールは複数のドラフト1巡目指名権と共に、ラッセル・ウェストブルックとのトレードでヒューストン・ロケッツからオクラホマシティ・サンダーへ移籍。
サンダーは今夏、ポール・ジョージをロサンゼルス・クリッパーズへ放出しており、若手を中心とする再建モードに入っていた。そのため、チャンピオンリング獲得を欲する34歳のポールは今季開幕前にトレードされる可能性が高いと複数の現地メディアが報じていた。
だがポールは昨夏、ロケッツと超高額契約を結んでおり、来季までの2シーズンで約8,000万ドル(約86億4,000万円)を受け取ることとなっているため、放出先がなかなか見つかっていない、というのが現状だ。
来季終了後(2021年夏)にプレーヤーオプションを破棄して制限なしフリーエージェント(FA)になることができる権利を持つとはいえ、その時点で36歳となったポールが、一線級で活躍しているかどうかは疑わしい。
そんな状況の中、マイアミ・ヒートがポール獲得に関心を持っていたと報じられていたのだが、現地メディア『The Ringer』によると、ポールが希望する移籍先は他にあるという。
10月30日(現地時間29日)。同メディアのライエン・ルッシロ記者が『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者とのポッドキャストに出演した際、「彼(ポール)はミルウォーキー(・バックス)へ行きたがっていると聞いた。彼はきっと、ヤニスとプレーしたがっているんだろうね」と発言。
ヤニス・アデトクンボ率いるバックスは、今季の優勝候補として評されているリーグ屈指の戦力を有するチーム。24歳ながら規格外の万能戦士として成長を続けるアデトクンボは、今季も平均24.3得点13.3リバウンド9.0アシスト1.3スティール1.7ブロックを記録し、ペイントエリアを支配している。
一方のポールは、ここまで4試合全てに先発ポイントガードとして出場しているものの、平均28.3分13.3得点4.5リバウンド3.3アシスト1.0スティールと、軒並み自己最低の成績。
サンダーが今、ポールを先発起用する理由は、若手を指導しながら勝利をつかもうとしている反面、トレードしたいがために活躍する場を与えていると受け取ることもできる。
だがバックスがポールを獲得するとしても、昨季途中に契約延長したエリック・ブレッドソーや来季で契約終了となるアーサン・イリヤソバなど、複数の主力を放出しなければならない。
3試合を終えて2勝1敗のバックスは、ブレッドソーがシューティングスランプに陥っているとはいえ、ベンチにはベテランのジョージ・ヒルがおり、大きな問題にはなっていないというのが現状。バックスがここでロースターにメスを入れることは、さすがにないだろう。