マブスを西地区3位へけん引する男は唯一無二となる主要3部門でトップ15入り
今季開幕からダラス・マーベリックスをけん引するルカ・ドンチッチは、2年目の20歳ながら得点、リバウンド、アシストを量産。すでにトリプルダブルもリーグトップの7度を記録している。
12月9日(現地時間8日)に行われたサクラメント・キングス戦でも、ドンチッチは27得点7リバウンド8アシストというオールラウンドなプレーでマブスをリード。試合には106-110で敗れたものの、この試合を終えた時点で、ドンチッチはリーグ唯一となる主要3部門でリーグ15位以内にランクイン。
平均30.0得点はリーグ3位、平均9.8リバウンドではリーグ15位、平均9.2アシストはリーグ2位と申し分ない個人成績。さらに、NBAとABAが統合した1976-77シーズン以降では史上最多となる19試合連続20得点5リバウンド5アシスト以上をたたき出した。
これまでの最長記録はMJことマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)が保持していた18試合連続。ドンチッチはキャリア2年目でこの記録を塗り替えたことは見事というほかない。そしてマブスが23試合を終えた時点でウェスタン・カンファレンス3位(16勝7敗)という好位置にいる最大の要因は、この男の活躍に他ならない。
試合中の実況や現地メディアから“ルカ・マジック”と連呼されて絶賛されているスロベニア出身のスーパースターは、すでにリーグ有数の選手へと昇華したと言っても過言ではない。
もっとも、ホームで行われたキングス戦では悔しい場面もあった。2点ビハインドで迎えた残り7.7秒、リック・カーライルHC(ヘッドコーチ)が「(ドライブ時に)彼は(相手選手の)肘が当たっていたのは明らかだ」と語ったように、ファウルをコールされてもおかしくはなかった。
そこでフリースロー2本を沈めていれば、同点に追いついていただけに、ドンチッチとしても後味の悪い試合となった。24点ビハインドから追い上げ、土壇場で同点にするチャンスがあったことは、ドンチッチにとっても悔しかったに違いない。
「僕はたまに、手に負えなくなるんだ。でもどんな時であろうと僕は勝利したい。僕の家族に聞いてみれば分かるよ。バスケットボールに限らず、どんなことでもね。とにかく負けず嫌いなんだ。でも(レフェリーのコールについて)もっとアジャストしていかなきゃいけないね」とドンチッチ。
試合終盤のファウルコールは、そのまま勝敗を決める要素になるだけに、ゲームにおいても重要な部分となる。リーグ4位の平均9.3本のフリースロー試投数を誇るドンチッチは、レフェリーのファウルコールについてこう語っていた。
「彼ら(レフェリー)も人間なのさ。彼らだって失敗することはある。僕も失敗はするし、誰でもしてしまうもの。たまに彼らが見逃してしまい、コールしないことだってある。もっと自分を落ち着かせて、次のプレーに集中するようにしていく」。
ホームで惜敗を喫したマブスだが、MVP候補にも挙がるドンチッチを中心に好成績を残しており、対戦相手にとって脅威になっていることは間違いない。