2019.12.19
2018年のドラフト当日。1巡目3位でアトランタ・ホークスに指名されたルカ・ドンチッチは、5位でダラス・マーベリックスから指名されたトレイ・ヤングと2019年のドラフト1巡目指名権(10位でキャメロン・レディッシュを指名)とのトレードが成立し、ドラフト日に移籍を経験した。
ルーキーシーズンとなった昨季、ドンチッチは平均21.2得点7.8リバウンド6.0アシスト1.1スティールを記録して新人王を獲得。ヤングも平均19.1得点3.7リバウンド8.1アシストを残し、ドンチッチと共にオールルーキーファーストチームに満票で選ばれており、昨季最もリーグを沸かせたルーキーの1人となった。
迎えた今季、ヤングは平均28.2得点4.1リバウンド8.3アシスト1.4スティールを記録し、ショット成功率全般でも昨季以上の数字を残しているのだが、ドンチッチは歴史的なパフォーマンスを見せている。
ドンチッチは20試合に出場して平均30.7得点10.3リバウンド9.4アシスト1.5スティールをたたき出しており、10-11月の月間最優秀選手に選ばれるほどの大暴れ。今では“史上最高の20歳”と評されるほどの大活躍で、一気に知名度を高めていると言っていい。
「僕らはきっと、キャリアの中で比較されるんだろうね。それは構わない。ドラフト当日にトレードされた相手だし、共に引退するまでこの比較は終わらないんじゃないかな」
ヤングが『ESPN』へ明かしたように、“ドンチッチ対ヤング”という比較は今もずっと続いている。2年目の選手として、ヤングは見事な成長曲線を描いているものの、ドンチッチは歴史的な快挙を立て続けに成し遂げており、現状ではドンチッチがリードしていることは間違いない。
それだけに、「僕は困ってるんだ」とヤングがもらすのも無理はない。その中で、ヤングはドンチッチとの比較について自身の見解をこう語っている。
「僕はバスケットボールをプレーするのは大好きだし、彼もそうだというのはわかってる。僕を悩ませているのは、しょっちゅう(ドンチッチとの比較について)聞かれることなんだ。僕から聞くことはないのに、その話になってしまう。でもね。僕らは全く異なる状況でプレーしているし、プレースタイルだって違うんだ。彼はいいプレーをしているし、それは僕も同じこと。だからもう、放っておくしかないね」
ヤングが言うとおり、再建途中のホークスに対して、ドンチッチ擁するマブスはプレーオフ出場を狙える位置にいる。クリスタプス・ポルジンギスというオールスター経験者だけでなく、ドンチッチの周囲にはサポーティングキャストもそろっており、2人を取り巻く環状は異なっている。
「両チームとも、それぞれにとってベストなことをしていると思う。僕らは再建へのプロセスを進めていて、多くの若手選手を手にして強いチームを構築しようとしている。それは最高なことだし、実際に成長しているんだ。僕らのことをサポートしてくれるたくさんのファンもいる」とヤングはホークスの現状について語ると、マブスについてはこう評していた。
「ダラスの場合は、僕らよりももっと“Win-Now”(今勝ちに行く)モードになっている。クリスタプスもそうだし、(昨季途中のトレードで)ティム・ハーダウェイJr.を獲得し、(今夏のフリーエージェント戦線では)セス・カリーを加えた。このリーグでプレーしてきたベテランを複数獲得したんだ」
そしてヤングは、最後に「僕らの状況は全く違う」と強調。ホークスは今季にでもプレーオフへ出場したい方向性を開幕前に示していたのだが、序盤に看板選手ジョン・コリンズの反薬物プログラム規定違反が発覚したことで、25試合の出場停止処分が下されたこともあり、ここまでイースタン・カンファレンス14位の5勝17敗と低迷。
ヤングとしては、ドンチッチとの比較に関するウワサや評価を遮断し、少しでもチームに勝ち星をもたらしたいところだ。
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