ヤニス・アデトクンボ「僕らはちょっとばかりプレーオフの激しさを持ち込んでいた」

3年連続でキャプテンを務めたレブロン(左)と、2年連続でキャプテンとなったアデトクンボ(右)[写真]=Getty Images

「この先も長い間、同じフォーマットであってほしいと皆が思ってるといいね。見ていた人たちは楽しんでくれたと思うし、僕らも楽しかった」

 2月17日(現地時間16日、日付は以下同)にユナイテッド・センター(イリノイ州シカゴ)で行われた「NBAオールスターゲーム2020」は、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)率いるTEAMレブロンが、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)擁するTEAMヤニスを157-155で下して幕を下ろした。

 1月末に突如訪れたコービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)の死を追悼すべく、今年のオールスター本戦は1から3クォーターまではクォーターごとに勝利チームを決めるというミニゲーム制に変更。そして第4クォーターはそれまでの総得点が上のチームに24(コービーの背番号)点を加えたスコアがゴールというルール。

 第3クォーター終了時点で、133-124とリードしていたのはTEAMヤニスだった。9点差をつけて最終クォーターに臨んだのだが、デビン・ブッカー(フェニックス・サンズ)やラッセル・ウェストブルック(ヒューストン・ロケッツ)、クリス・ポール(オクラホマシティ・サンダー)らが加点して点差を縮められてしまい、大激戦の末に惜敗となった。

 2年連続でキャプテンとして臨んだアデトクンボは、チームトップの25得点に11リバウンド4アシスト3ブロックをマーク。序盤からエネルギッシュなプレーでチームを盛り立てた昨季のシーズンMVPは、最終クォーターに入ってさらにギアを上げ、レブロンのジャンパーをクリーンブロックで封じるなど、鬼気迫るプレーで奮戦していたことは言うまでもない。

 試合後の会見で、今回のフォーマットに関する印象について聞かれると、アデトクンボはこう返答している。

「試合後に兄弟がやって来てこう言ったんだ。『今回のオールスターは今まで見てきた中で最高に面白いものだった』ってね。僕がどうしてか聞いたら、こう返ってきたんだ。『コート上の選手たちがすっごく激しく競い合って、勝利するためにプレーしていたからだよ』。TEAMヤニスがやろうとしていたのはまさにそれだった。僕らはコートに出てトーンをセットし、ハードにプレーした。第4クォーターでは特に、ディフェンスがタイトになった。僕らはちょっとばかりプレーオフの激しさを持ち込んでいた」。

 そしてこの新フォーマットについて「僕は大好きだね。この先も長い間、同じフォーマットであってほしいと皆が思ってるといいね。見ていた人たちは楽しんでくれたと思うし、僕らも楽しかった」と来年以降も継続することを望んでいた。

目の前に誰がいようと容赦なく強烈なダンクを浴びせたアデトクンボ[写真]=Getty Images

ドラフトでアフリカ出身の選手たちを真っ先に指名した理由を明かす

 先日行われたオールスターのドラフトで、アデトクンボはジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)、パスカル・シアカム(トロント・ラプターズ)というカメルーン出身の選手を続けて指名。彼らを真っ先に指名したことについて質問を受けると、「すごく重要なことだね」と切り出し、こう続けている。

「アフリカ出身の選手たちは、実にハードにプレーするんだ。ジョエルとはこれまで一緒にプレーしたことがあった。彼とプレーするのは大好きなんだ。シカアムとは、これまで一緒にプレーするチャンスがなかったから、(エンビードの次に)彼を選んだのさ」。

 この試合、エンビードは重要な第4クォーターでTEAMヤニスのファーストオプションとしてポストプレーを何度も繰り出すなど、22得点10リバウンドのダブルダブル、初のオールスターをスターターで飾ったシアカムは15得点6リバウンドを残し、それぞれの存在感を発揮。

 オールスターブレイク終了後の21日から始まる後半戦では、プレーオフに向けた激しい争いが繰り広げられることとなる。イースタン・カンファレンスではバックス(アデトクンボ)、シクサーズ(エンビード)、ラプターズ(シアカム)がいずれも上位におり、直接対決の結果がシード順を左右する可能性もあるだけに、オールスターで共演したスターたちが球宴を終えて、ライバルとして戦うシーンにも注目していただきたい。

レブロン(右)相手にもタフなディフェンスを繰り出し、見事なブロックショットを決めたアデトクンボ(左)[写真]=Getty Images

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