筆頭オーナーのレイコブはタンキングを否定、カリーは3月上旬に復帰予定
2月17日(現地時間16日、日付は以下同)に行われた「NBAオールスターゲーム2020」は、コービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)への追悼が込められ、NBA選手会代表を務めるクリス・ポール(オクラホマシティ・サンダー)が提案した新フォーマットの影響もあり、近年最高の盛り上がりを見せた。
その一方で、昨季まで5年連続でNBAファイナルへ進出し、3度の優勝を飾ったゴールデンステイト・ウォリアーズの選手が、オールスターゲームに選出されることはなかった。2013年以降、ウォリアーズは毎年オールスターに選手たちを送り込んできたものの、今季のチーム状況を考慮すれば仕方ないと言っていい。
オールスターブレイクを迎えた時点で、ウォリアーズはリーグワーストの12勝43敗。7日のトレードデッドラインまでに、ウィリー・コーリー・スタインをダラス・マーベリックスへ、アレック・バークスとグレン・ロビンソン3世をフィラデルフィア・セブンティシクサーズへ放出し、複数のドラフト指名権を獲得。
そして昨夏ブルックリン・ネッツとのサイン&トレードで獲得したディアンジェロ・ラッセルと、ジェイコブ・エバンス、オマリ・スペルマンをミネソタ・ティンバーウルブズへトレードし、アンドリュー・ウィギンズと複数のドラフト指名権を手に入れた。
その後、ロースターの数が不足したことで、ウォリアーズは2ウェイ契約を結んでいたカイ・ボウマン、マーキーズ・クリスとは本契約、ザック・ノーベルJr.、ジェレミー・パーゴとは10日間契約を締結。
チーム加入後3試合で平均23.0得点を記録するウィギンズ、ドレイモンド・グリーン、エリック・パスカル、デイミオン・リーといった選手たちがいるものの、ウォリアーズが今季プレーオフへ出場する可能性は皆無に等しいというのが現状だ。
それでも、ウォリアーズの筆頭オーナー、ジョー・レイコブはタンキング(意図的に負けること)するつもりはないと『USA Today』へ断言。昨年11月から左手第二中手骨の骨折のため欠場を続けるステフィン・カリー、昨季のNBAファイナルで左膝前十字靭帯を断裂したクレイ・トンプソンについてもコメントを残していた。
19日に同メディアへ掲載された記事の中で、レイコブは「ステフは戻ってくる。チーム内で議論するまでもない。彼はプレーする準備ができているし、プレーすべき。我々は毎試合、勝利しようとしている。私は『さぁ、ベストな(ドラフト)指名権を手に入れるために負けよう』だなんて考えていない。もしそんなことをしようとすれば、バスケットボールの神様に盾突くことになってしまう。我々は(タンキングを)していないと信じている」とコメント。
トンプソンについても「クレイはシーズン終盤に2、3試合プレーするために復帰するかもしれない。しないかもしれないがね。だがそれは大きな問題ではない。それは彼の状態しだいだ」とレイコブ。
ウォリアーズは今夏のドラフトで即戦力を獲得するためではなく、あくまでラグジュアリータックス(贅沢税)の支払額を少しでも減らすためにトレードを断行した、というのがレイコブの思いなのだろう。
カリーは3月上旬の復帰予定と複数の現地メディアが報じているため、シーズン終盤戦ではカリー、グリーン、そしてウィギンズが同じコートに立ち、勝利をつかむ瞬間を見ることができるはずだ。