7月18日(現地時間17日、日付は以下同)。NBAは各チームへ2019-20シーズンのアワードに関する選考期間を通達。MVPや新人王といった主要アワードのほか、オールNBAチームやオールルーキーチームも3月12日にレギュラーシーズンが中断した時点までを選考期間とし、今月末からフロリダ州オーランドで幕を開けるシーディングゲーム(順位決定戦)は選考期間外とした。
第二幕へ参戦するのは30チームのうち22チーム。NBAはあくまで全チームがプレーしていた期間で選考するということなのだろう。ただし、得点王やリバウンド王といったスタッツリーダーについてはシーディングゲームの成績も含めて争うことになるという。
そこで『ESPN』は、主要アワードの受賞者は誰になるのか、計20名の専門家たちによる投票を行い、21日に結果を発表。ここでは、同メディアに掲載された投票結果を紹介していきたい。
※チーム名は略称、%=パーセント
<ESPNが発表した今季の主要アワード予想>
■最優秀選手(MVP)
ヤニス・アデトクンボ(バックス):17票
レブロン・ジェームズ(レイカーズ):3票
シーズンMVPを獲得した昨季と比較すると、アデトクンボはフリースロー成功率が72.9%から63.3%、平均出場時間が32.8分から30.9分までダウン。だが平均29.6得点13.7リバウンドは自己ベスト。3ポイントも自己最多となる平均1.5本を沈めている。ここまで2シーズン連続でリーグベストの戦績を残す中、個人成績でも昨季以上の数字を残している。
一方のレブロンはレイカーズを7年ぶりのプレーオフ進出へと導き、今季は司令塔としてキャリアハイの平均10.6アシスト(リーグトップ)を記録。キャリア17年目ながらリーグの超一線級として活躍を続けているものの、チームメートにアンソニー・デイビスというリーグ最高級のビッグマンがいることで評価が分かれ、バックスで絶対的な存在となったアデトクンボが上回ったのだろう。
■新人王(ROY)
ジャ・モラント(グリズリーズ):20票
モラントが新人王を獲得するうえで最大のライバルとなっていたのは、平均23.6得点6.8リバウンドを記録していたザイオン・ウィリアムソン(ペリカンズ)。だがシーズン中断時点で64試合のうち19試合のみの出場のため、モラントに軍配となった。
■最優秀シックスマン賞
モントレズ・ハレル(クリッパーズ):9票
デニス・シュルーダー(サンダー):7票
ルー・ウィリアムズ(クリッパーズ):4票
20票のうち、クリッパーズ勢が13票を獲得。もっとも、直近2シーズン連続で同賞を手にしているウィリアムズは、キャリアハイの平均5.7アシストを残すものの、平均得点がここ3シーズンで最も低い。その一方、ハレルはいずれも自己最高となる平均18.6得点7.1リバウンドを残している。サンダーの躍進をベンチから支えたシュルーダーの活躍も見事だが、ハレルが2票上回る結果に。
■最優秀躍進選手賞(MIP)
バム・アデバヨ(ヒート):9票
ブランドン・イングラム(ペリカンズ):6票
デボンテ・グラハム(ホーネッツ):4票
ジェイソン・テイタム(セルティックス):1票
アデバヨ、イングラム、テイタムは今季オールスターに初選出された若手有望株。グラハムもホーネッツでスコアリングリーダーへと飛躍し、予想外の躍進となったものの、攻防兼備のアデバヨのインパクトがライバルたちよりも高い評価を得たようだ。
■最優秀守備選手賞(DPOY)
ヤニス・アデトクンボ(バックス):10票
アンソニー・デイビス(レイカーズ):6票
バム・アデバヨ(ヒート):2票
ルディ・ゴベア(ジャズ):2票
同賞3連覇を狙うゴベアは、依然としてリーグ有数のディフェンシブプレーヤー。だが今季はゴベアよりも守備範囲が広く、より多くのポジションの選手たちをガードできる万能ディフェンダーたちに票が集まった。なかでも規格外のサイズと身体能力をディフェンスにも注ぎ込むアデトクンボが最多票を手にしている。
■最優秀ヘッドコーチ賞(COY)
ニック・ナース(ラプターズ):15票
マイク・ブーデンホルザー(バックス):2票
フランク・ボーゲル(レイカーズ):2票
ビリー・ドノバン(サンダー):1票
昨季のファイナルMVP、カワイ・レナード(現クリッパーズ)が退団し、主力がケガのため軒並み10試合以上を欠場する中、ラプターズをイースト2位の好成績へと導いたナースHC(ヘッドコ-チ)がほかの候補者たちを圧倒。リーグベストの戦績を残すバックスのブーデンホルザーHC、レイカーズをウェスタン・カンファレンス首位へと押し上げたボーゲルHC、開幕前の下位予想を見事に裏切り、プレーオフ出場を決めたサンダーのドノバンHCの功績も捨てがたいが、昨季覇者をさらに進化させたナースHCの手腕はCOYに最もふさわしい。