「本当にがっかりしてる。後悔が大きい。常にフォーカスしていたようには思えなかったんだ」と今季を総括
フィラデルフィア・セブンティシクサーズの大黒柱として、3年連続となるプレーオフに臨んだジョエル・エンビードは、シリーズ平均30.0得点12.3リバウンドを挙げるも、自身初のスウィープでボストン・セルティックスに敗れてしまい、早々にポストシーズンを終えた。
8月24日(現地時間23日、日付は以下同)に行なわれた第4戦。最大17点差をつけられる劣勢の中、シクサーズは第4クォーター終了のブザーが鳴るまで戦い続け、残り2.0秒にエンビードが意地の3ポイントを放り込むも、106-110で敗戦。
この日もエンビードはチームトップの30得点に10リバウンド3スティール2ブロックと奮闘。だがシクサーズを勝利へと導くことはできず、自身初のファーストラウンド敗退に。
「ほんの2、3年前、初めてプレーオフに進出した時、このチームにはすばらしい選手たちがそろっていた。最高のシチュエーションにいたんだ。そこから(ドラフト)指名権などを絡めたトレードをして、その見返りにジミー(バトラー/現マイアミ・ヒート)、トバイアス(ハリス)といった最高の選手たちを手に入れた。でもうまくはいかなかったんだ」。
シクサーズは昨季、トロント・ラプターズとカンファレンス・セミファイナル第7戦まで戦い、あと一歩のところでカワイ・レナード(現ロサンゼルス・クリッパーズ)のブザービーターの前に惜敗。
その後バトラーはトレードでヒートへ、JJ・レディックはフリーエージェント(FA)となってニューオーリンズ・ペリカンズへと移籍。シクサーズはエンビードとベン・シモンズ(ケガのため今年のプレーオフは全休)の周囲にバトラーを絡めたトレードで獲得したジョシュ・リチャードソン、FAで契約したアル・ホーフォード、ハリスといった選手をそろえて今季に臨むも、結果は1回戦負け。
「俺たちは今シーズン、一度もリズムに乗ることができなかった。本当にがっかりしてる。後悔が大きい。常にフォーカスしていたようには思えなかったんだ」とエンビードが悔やむ。
今年のプレーオフを早々に終えたことで、シクサーズは来季開幕を前にロースターにメスを入れる可能性があると複数の現地メディアから報じられており、エンビード自身も不安視していた。
「俺が決断を下すことはない。俺はフィリーにいる。俺はいつも言ってるように、ここでキャリアを終えたい。そうなればいい。でももし何かが起きれば、前に進むことになる」。
シクサーズはエンビード、シモンズ、ハリス、ホーフォードの契約が2022-23シーズン(シモンズとハリスのみ翌シーズンまで)まで残っており、いずれも年平均2500万ドル(約26億2500万円)以上という超高額。トレードするためにはリスクが伴うが、現状打破するためにはその選択肢も考えなければならない。
「もし来シーズンも同じロースターで臨むなら、俺はフロアのスペースを広げなきゃいけない」と語ったエンビードは、シモンズと並んでシクサーズの中心選手。だが来季、両選手がシクサーズのユニフォームを身にまとっているかは現時点で分からない、というのが現状。来季に向けてシクサーズがロースターをどのように整備していくのかに注目したい。