「俺には個人的な行動を起こし、アフリカン・アメリカンのアスリートとして、社会の中で黒人としてプレーすることに責任がある」とウェストブルック
8月29日(現地時間28日、日付は以下同)。ヒューストン・ロケッツがチーム練習ならびにスクリメージ(練習試合)を行ない、ラッセル・ウェストブルックが参加。リーグの情報筋は“これまでで最も爆発的な動きを見せていた”と『ESPN』へ伝えたという。
右足大腿四頭筋の肉離れのため、ウェストブルックはシーディングゲーム(順位決定戦)の最後の2試合、そしてオクラホマシティ・サンダーとのプレーオフ ファーストラウンドを欠場。
シリーズはロケッツが2連勝後、サンダーが巻き返しに成功して2勝2敗のタイ。両チームは30日にシリーズ第5戦を迎えることとなる。
ロケッツのマイク・ダントーニHC(ヘッドコーチ)は29日の練習前に「今日彼は練習でできるところまでこなすことになる。我々は彼が準備できていると見ている。彼がずっと我慢してきたのは間違いない。まだそのことについては彼と話していないが、明日(試合日)までには話すことになるだろう。彼は今、プレーしたくてうずうずしていると思う」とコメント。
ウェストブルック本人もコートに復帰できることについてこう話している。
「プレーできることにワクワクしてる。でもそれ以上に、正当な理由でプレーできることを楽しみにしている。俺たちは(NBAとNBA選手会による協定の下で)アクションを起こすことができるんだ。俺のような選手、このリーグにいる選手たちは皆、自らのユニフォームの後ろにメッセージを入れてプレーしている。それは何かを意味するものなんだ」。
社会正義、そして人種差別に対する抗議を続けるべく、ウェストブルックは強い思いを持ってプレーすることについてこう続けた。
「俺には個人的な行動を起こし、アフリカン・アメリカンのアスリートとして、社会の中で黒人としてプレーすることに責任がある。俺には子どもがいるし、近所の子どもたちや世界中にいる子どもたちが俺のことを見てくれている。それこそが俺を最もワクワクさせてくれることなんだ。もちろん、バスケットボールは俺たちのプラットフォームであり、俺が大好きで愛情を持っているものだ。でもそれ(社会正義と戦うこと)は再びプレーするうえで最も重要な理由なんだ」。
約3週間、コートでプレーできなかったウェストブルックの復帰は、ロケッツにとっても大きな戦力アップになるだろう。そして本人が語ったとおり、社会正義のためにプレーすることはウェストブルックにとって大きな意味を持つ。
対するサンダーにはNBA選手会の代表として、選手やコーチ陣とのミーティングで重要な役割をこなしたクリス・ポールがいるだけに、両チームによるシリーズ第5戦は1試合以上の重みのあるものになると言っていいだろう。