第二幕を前に新型コロナ感染、シーディングゲーム中に右足大腿四頭筋を負傷
9月13日(現地時間12日、日付は以下同)に行なわれたロサンゼルス・レイカーズとのウェスタン・カンファレンス・セミファイナル第5戦に敗れたことで、ヒューストン・ロケッツは1勝4敗となり、今季を終えた。
ジェームズ・ハーデン、ラッセル・ウェストブルックという“MVPデュオ”を形成したロケッツは、今年2月には守護神クリント・カペラ(現アトランタ・ホークス)を放出し、ロバート・コビントンを獲得。その後ジェフ・グリーンらと契約し、身長203センチ以下の選手たちでスモールボールを形成し、爆発的なオフェンスとスイッチングディフェンスを駆使してきたが、レイカーズの前に第2戦から4連敗。
今季からロケッツへと加入し、新天地で初めてプレーオフに臨んだウェストブルックだが、8試合に出場して平均32.8分17.9得点7.0リバウンド4.6アシスト1.5スティール。得点とアシストは自己ワーストに終わった。
「100パーセントの状態ではなかった。でも言い訳をするような男じゃない。俺は競い合うことが大好きだ。だけど、これが現実ということ」と切り出したウェストブルックは、第二幕を前に新型コロナウイルス(COVID-19)の検査結果で陽性反応が出て、シーディングゲーム(順位決定戦)の途中には右足大腿四頭筋の肉離れのため戦線離脱。プレーオフも古巣のオクラホマシティ・サンダーとのファーストラウンド第4戦まで欠場を余儀なくされたことをこう振り返っている。
「実際、ケガで本来なら数週間離れることになったけど、そんなに時間はなかった。特に相手がオクラホマシティだったから。なんとか戻ってやろうとトライしてきた。それに運も悪かった。フラストレーションもたまっていたんだ。COVID-19に感染したことで、ワークアウトもできずに20、21日も座ってなきゃいけなかった」。
今年3月中旬のシーズン中断後も、ウェストブルックは自身の身体をいじめ抜き、ハードなトレーニングを続けており、「ヒューストンに戻った時、俺はこれまでのキャリアの中でもたぶんベストなシェイプにあった」とウェストブルックは言うも、第二幕で4試合に出場後に負傷。
「ポストシーズンでは自分のプレーを引き上げなきゃいけない。だから俺は自分のリズムを取り戻すことに努めていた。時間はあまりなかったが、それでも俺は振り出しに戻って健康体と呼べる状態だと確かめることができた」。
ウェストブルックにとって、自身10度目となった今年のプレーオフは悔しい結果となってしまったことは否めない。それでも、身体中からほとばしるバスケットボールへの情熱と勝利への渇望はプレーに出ており、この男のプレーを見ている世界中の人々には十分伝わったはず。
ロケッツは来季に向けて指揮官が代わることが濃厚となっており、ロースターにも変動があるかもしれない。だがこの男が持つ勝利への熱き思いが衰えることはあり得ない。