「今回の環境を理由に、今年はNBAの歴史上で最もタフなチャンピオンシップだったと言うことになるだろうね」と相棒デイビス
10月1日(現地時間9月30日、日付は以下同)にスタートする今季のNBAファイナルを翌日に控え、9月30日にロサンゼルス・レイカーズとマイアミ・ヒートの選手たちとヘッドコーチ(HC)たちがメディアデーとして会見を行った。
ここ10年間で9度目、通算10度目のファイナルに臨むレブロン・ジェームズ(レイカーズ)にとって、今年のファイナルは古巣との初対決。2010年から14年まで在籍し、12、13年に2連覇を達成したヒートには、当時の指揮官(エリック・スポールストラHC)と球団社長(パット・ライリー)がおり、自身を成長させてくれたフランチャイズと戦うこととなる。
だが4年間在籍した古巣との対決に対して、レブロンには特別な思い入れはないという。
「チャンピオンシップを勝ち取るにあたって、誰が相手であろうと特別な意味合いなんてない。ファイナルまでたどり着くことがすでに十分ハードなものなんだ。誰が相手であろうと関係ないね」。
もっとも、自身4度目のチャンピオンシップ獲得を狙うレブロンにとって、ヒートとの対決は大きな意味があるとアンソニー・デイビスは指摘する。
「ファイナルまで舞い戻り、マイアミと戦うんだから、彼にとっては他のどのファイナルよりも重要だと思う。たぶん、もし今年優勝できたら、彼にとってクリーブランドで成し遂げた優勝に次ぐものになるんじゃないかな」。
今季は新型コロナウイルスの感染拡大を防止すべく、NBAが3月中旬に前代未聞のレギュラーシーズン中断に踏み切り、約4か月後にフロリダ州オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートにある“バブル”と称される開催地でシーズンを再開。
ファイナルへ進出したレイカーズとヒートの選手たちやコーチ陣、スタッフたちは2か月以上もバブルに滞在しており、厳しいスケジュールの中でコンディションを保ち、プレーオフを勝ち抜いてきた。
「今年はタフなものになると思う。人々は今回の環境を理由に、今年はNBAの歴史上で最もタフなチャンピオンシップだったと言うことになるだろうね」とデイビス。
レブロンもバブルについて「たぶん、プロとしてやってきた中で最も大変なこと」と切り出しており、その過酷な環境の厳しさを肌で感じているのだろう。だがレブロンがシーズン再開後にバブルへと戻って来た理由はチャンピオンシップ獲得にほかならない。
「俺がここに来た唯一の理由、それはもちろんチャンピオンシップを競い合うこと。バブル入りしてから、それが俺の考えであり、最初の2日間で隔離生活をした時、チーム練習を始めた時から変わらない。俺たちにとって大事なことは、チャンピオンシップを競い合い、シーズンを締めくくることだったんだ」。
レイカーズとヒートによる直接対決は昨年12月中旬までのデータではあるものの、レイカーズが2戦2勝している。だがヒートは今年2月のトレードでアンドレ・イグダーラ、ジェイ・クラウダー、ソロモン・ヒルという屈強なディフェンス巧者を複数加えたため、レギュラーシーズンにおける戦績はあまり参考にならないかもしれない。
それでも、レイカーズにとって好材料なのは2枚看板がヒートとの2試合で好成績を残している点だろう。レブロンが平均26.5得点6.5リバウンド9.0アシストにフィールドゴール成功率51.2パーセント、3ポイント成功率53.3パーセント。デイビスも平均29.5得点9.0リバウンド4.0アシストにフィールドゴール成功率59.5パーセント、3ポイント成功率44.4パーセントとこちらも好調。
ヒートが繰り出す組織的なディフェンスを前に、両選手がどのようにして突破口を開いていくのか。特にポイントガードを務めるレブロンが、デイビスを中心にどうやってゲームを組み立てていくのかは興味深い。まずは1日に行なわれるシリーズ初戦を楽しみに待ちたいところだ。