アデトクンボとミドルトンを補完する選手として白羽の矢が立つボグダノビッチだが、バックスの財政事情を考慮すると厳しいか…
10月16日(現地時間15日)。『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者は、今年12月上旬に幕を開けるフリーエージェント(FA)戦線に先駆けて、有力FA選手たちの動向について報じた。
その中で、ミルウォーキー・バックスが制限付きFAとして注目を集めるボグダン・ボグダノビッチ(サクラメント・キングス)の獲得を狙っていると指摘。
「ミルウォーキーはプレーメイクとシュート力に秀でた選手を追いかけるだろう。ヤニス・アデトクンボ、クリス・ミドルトンを支える存在としてね」。
バックスは2シーズン連続でリーグトップの戦績を残し、アデトクンボは2年連続でシーズンMVP、ミドルトンは2年連続でオールスターに輝いた。その周囲をエリック・ブレッドソーやブルック・ロペス、ウェスリー・マシューズといった選手たちがサポートし、見事なチームケミストリーで白星を量産。
ところが、2年連続で優勝候補に挙げられながら、昨季のプレーオフではトロント・ラプターズの前にカンファレンス・ファイナルで2勝4敗、今季はイースト準決勝でマイアミ・ヒートの前に1勝4敗で敗退していた。
アデトクンボ、ミドルトンというスター選手がいるものの、プレーオフを勝ち上がり、チャンピオンシップを勝ち取るためには、現有戦力では厳しいというのが現状だ。
そこで同記者はアデトクンボとミドルトンを補完する選手として、バックスが28歳のセルビア出身のボグダノビッチに白羽の矢を立てていると報じている。
ボグダノビッチは今季、平均15.1得点3.4リバウンド3.4アシスト1.0スティールを記録。今年1月下旬にスターターへ昇格すると、キングスは白星先行となり、第二幕への出場権を手に入れた。
キングスがボグダノビッチとの再契約を最優先にしているだけでなく、バックス以外のチームも獲得を狙っていると報じられているだけに、バックスがこの男を獲得できるかは微妙だ。
というのも、来季バックスはアデトクンボとミドルトンだけで6000万ドル(約63億円)を上回る高額年俸を支払わなければならず、すでに年俸総額が1億3000万ドル(約136億5000万円)を超えているため、ボグダノビッチへ高額年俸を提示することは事実上不可能。
ブレッドソーや来季で契約が満了するアーサン・イリヤソバ、あるいはジョージ・ヒルといった選手をトレードで放出するなどして、年俸総額を下げなければボグダノビッチをロースターに加えるのは厳しいだろう。
だがバックスとしては、アデトクンボが来季終了後に制限なしFAとなるため、来季開幕前に戦力増強を断行し、超高額契約を結んで残留させたいところ。アデトクンボが他チームへ流出となれば、バックスが優勝戦線から脱落してしまうだけに、フロントがどのようにして補強していくかは気になるところだ。