今季イースタン・カンファレンス7位の35勝37敗を残し、2年連続でプレーオフに進出したブルックリン・ネッツは、来季覇権争いに参戦することが期待されている注目チームの1つ。
スティーブ・ナッシュをヘッドコーチ(HC)に据え、今季全休したケビン・デュラント、右肩のケガに苦しんだカイリー・アービングという2人のスーパースターが戦列復帰することで躍進が見込めるからだ。
ロースターにはデュラントとカイリーのほか、スペンサー・ディンウィディー、キャリス・ラバート、ジャレット・アレン、ディアンドレ・ジョーダン、トーリアン・プリンスといった選手がいるのだが、チームきってのシューター、ジョー・ハリスが今年制限なしフリーエージェント(FA)となる。
ネッツ在籍4年を誇る29歳は、ここ3シーズン連続で平均2ケタ得点に3ポイント成功率40.0パーセント以上を記録。キャッチ&シュートにも秀でたハリスは、デュラントとカイリーと一緒にプレーすることに魅力を感じており、ネッツとの再契約に前向きな姿勢を見せている。
8月中旬にはショーン・マークスGM(ゼネラルマネージャー)が「このチームの最優先事項だ。ジョーと私は、これまで十分な時間をかけて話し合ってきた。我々はジョー(2014年ドラフト2巡目全体33位指名)がどこからはい上がってきたのか、そして今彼がどこまで上りつめたのかを非常に誇りに思う。それに彼は今でも向上し続けている。さらにスキルを磨こうとしているんだ。だから彼と再契約を結んで、このグループの一員として見ていくことは、我々にとって最も重要なことになる」と『Yes Network』へ話しており、相思相愛と言っていいだろう。
だが『ESPN』のザック・ロウ記者は自身のポッドキャスト番組で「複数のチームがジョー・ハリス獲得競争に参戦するだろう。キャップスペースに余裕があるチームは、ハリスがフロアでそれぞれのチームにうまくフィットすると見ている。ネッツがハリスをキープしたいのであれば、年平均1500万ドル(約15億7500万円)を提示しなければならないだろうね」とコメント。
昨夏はアメリカ代表としてFIBAワールドカップにも出場したハリスだが、今季の年俸は約767万ドル(約8億535万円)。来季のネッツはデュラント、カイリーの2人だけで7200万ドル(約75億6000万円)以上を支払わなければならず、現時点で総額が1億3188万ドル(約138億4740万円)を超えているため、高額年俸の提示は厳しいというのが現状。
もしハリス引き留めに失敗したとなれば、ネッツは安価で獲得できるFAのシューターを補強し、来季に臨むことになるだろう。