「彼なら強くなって復活できるさ」。カリーがアキレス腱を断裂したトンプソンにエール

ウォリアーズのカリー(右)とトンプソン(左)[写真]=Getty Images

「その知らせを耳にした時、大きなショックを受けたことは確かだね。涙もたくさんこぼれ落ちた」とカリーが振り返る

 11月19日(現地時間18日、日付は以下同)。ゴールデンステイト・ウォリアーズのクレイ・トンプソンがワークアウト中に右足下部を負傷。翌20日のMRI検査の結果、右アキレス腱を断裂したことが発覚。チーム側はトンプソンが12月23日に幕を開ける2020-21シーズンを全休する見込みと発表した。

 トンプソンはトロント・ラプターズと激突した19年のNBAファイナル第6戦で左膝の前十字靭帯を断裂。昨季全休した元オールスターガードは、9月26日に行なわれたミニキャンプで470日ぶりにチーム練習へ復帰し、2年ぶりのシーズンに向けてコンディションを整えていたやさきだっただけに、リーグ中に大きな衝撃が走った。

 そのトンプソンとバックコートでコンビを組んで9年。ウォリアーズのフランチャイズプレーヤー、ステフィン・カリーは24日に『The Undefeated』のマーク・J・スピアーズ記者とのインタビューに応じ、胸の内を明かした。

「彼はリーグでベストな2ガード(シューティングガード)。だからその知らせを耳にした時、大きなショックを受けたことは確かだね。涙もたくさんこぼれ落ちた。なんて言うべきか、本当に分からなかったんだ。だって彼は今、重大なケガを乗り越えるべく、リハビリをこなしていくことになったんだから。でも彼には僕たちがついている。彼の近くで、リハビリしている時も自分たちの一員なんだと分かってもらえるといいな。そして彼にはこれからも僕らと連絡を取り続けてほしい」。

 そしてカリーは長いリハビリが待ち受けているトンプソンへ「彼なら強くなって復活できるさ。彼は(バスケットボールという)ゲームが大好きな男だから。フロアに戻って自分自身を取り戻すべく、彼はどんなにつらいことでもやってのけるさ。僕らはそう願っているし、彼ならできると自信を持っている。2年半にも及ぶリハビリは、誰にだってタフなこと。僕らは皆、彼のベストを願っている」とエールを送っていた。

「僕らはリーグのどんなチームが相手でも渡り合える」とカリーは前向きな姿勢

 ウォリアーズはドラフト全体2位でジェームズ・ワイズマンという216センチのビッグマン、ガードのニコ・マニオンとジャスティニアン・ジェサップを2巡目で指名。ジェサップは今年8月にオーストラリアとニュージーランドのチームによるプロバスケットボールリーグ、NBLのザ・ホークスと契約したため、ウォリアーズへの合流は来シーズン以降になりそうだが、ワイズマンは先発センター候補に名を連ねる即戦力だ。

 また、トンプソンの今季全休を受け、チーム側はオクラホマシティ・サンダーとのトレードでケリー・ウーブレイJr.を獲得。フリーエージェント(FA)戦線ではガードのブラッド・ワナメイカー、ケント・ベイズモアを獲得。

「このチームには長さがある。サイズも兼ね備えているんだ。そして多くの万能性がある」とウーブレイJr.が話していたように、ウォリアーズの予想スターターのカリー、ウーブレイJr.、アンドリュー・ウィギンズドレイモンド・グリーン、ワイズマンのうち、カリーを除く4選手が7フィート(213センチ)以上のウイングスパンを持っている。

 トンプソン不在は攻防両面で大きな痛手なのは間違いないものの、カリーは新シーズンに向けて前向きな姿勢を見せている。

「僕らはリーグのどんなチームが相手でも渡り合える。ちょっとクレイジーではあるけどね。クレイがどれだけすごい選手なのかは皆が分かっている。でも僕らは今、この瞬間にいる。今いるチームメートたちと共にリフレッシュし、(チャンピオンシップを)追いかけていく。もちろん、(ロサンゼルス・レイカーズが)ディフェンディングチャンピオンなのは分かっている。だから彼らを倒さなきゃいけない。それに向けて準備していくよ」。

 はたして、一昨季まで5年連続でウェスタン・カンファレンスを制したチームは今季どこまで白星を重ねることができるのか。開幕に向けて、ウォリアーズの動向から目が離せない。

モバイルバージョンを終了