レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)は、ヘリコプターの墜落事故で不幸にも命を落とした故コービー・ブライアント(元レイカーズ)を兄のように慕っていた。
アテネオリンピックで3位に終わったアメリカ代表の名誉を挽回するべく、“コーチK”ことマイク・シャシェフスキー指揮の下、2008年の北京オリンピックで結成された“リディーム・チーム”での共闘はもちろん、レブロンからコービーに1on1を持ちかけたコービー最後のオールスターゲームの一幕は、未だ鮮明に覚えているファンも少なくないだろう。事故後、レブロンは「俺たちはいつも一緒だ」と兄弟愛を示し、ロサンゼルスの地でマンバメンタリティを継承している。
最近、コービー関連のメモリアル品はオークションにも度々登場し、『ゴールディン・オークションズ』では、完璧なコンディションにあるコービーのルーキーカードが、同選手史上最高額となる179万6000ドル(約1億9000万円)で落札されたばかり。しかし、先日『ヘリテージ・オークションズ』に出品された星条旗柄の『コービー 2』は、レブロンとコービーが古くから特別な関係にあることを象徴するストーリーが込められている。
When @KingJames was a high school senior, Kobe Bryant gave him a special pair of the Adidas Kobe 2.
If you want to bid on these game-worn #sneakers, you'll need at least $20,000. @HeritageAuction is handling the action. pic.twitter.com/yDDlkwtRR7
— ThePostGame (@ThePostGame) February 20, 2021
3人のレジェンドが絡むストーリー
15万6000ドル(約1700万円)で落札されたこちらの『コービー 2』は、まだ高校生だったレブロンに、コービーが直々にプレゼントした一足である。若かりしレブロンにとって、未来のレジェンドからシューズを受け取った瞬間は、今なお特別な思い出として記憶されているようで、『ヘリテージ・オークションズ』はそんなキングのコメントを紹介している。
「俺がコービーの優しさに触れた最高の瞬間は、高校時代に彼からシューズをプレゼントしてもらったことだと思う。俺はニュージャージー州ティーネックのトーナメントに参加していて、彼らはフィリーで(2002年の)オールスターゲームに参加していた。(そのタイミングで)彼に会う機会があり、彼は俺にシューズをくれたんだ。そして、俺は実際にメロ(カーメロ・アンソニー)がいたオークヒル高校との一戦で、そのシューズを履いてプレーしたんだ」
『コービー 2』は、アディダスと同じドイツを拠点にする大手自動車メーカーの「アウディ」にインスパイアされたモデル。星条旗を纏ったPE(プレイヤーエクスクルシーブ)は、2001年に起きたアメリカ同時多発テロ事件にトリビュートするためのもので、『ヘリテージ・オークションズ』の該当ページでは、実際にコービーが同モデルを着用して試合に臨んでいる姿も公開されている。
そんなアディダス契約時のコービーの名作を着用し、盟友アンソニーと対戦したレブロンは、試合で36得点をマークするも、試合はライバルが所属するオークヒル高校が勝利を収めたという(なお、アンソニーは34得点を記録)。
既出のカードの落札価格と比較すると、額面はわずか10分の1と見劣りするかもしれないが、コービー、レブロン、アンソニーというレジェンド3人が絡む一足に秘められたエピソードには、金額以上の価値が宿っているはずだ。
文=Meiji