レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)は、36歳を迎えた現在もトップコンディションを維持し続けている。プレーは衰えるどころか、円熟の域に達しており、キングは今なおキングとして、NBAの頂点に君臨している。
今シーズンのレブロンの出場時間合計は、3月16日時点で1310分。これはリーグ全体11位のプレータイムであり、レブロンの1歳年下で同ランキング39位に位置するクリス・ポール(フェニックス・サンズ)と比較して、136分も長い。過去にはボディケアに年間150万ドル(約1億6000万円)も費やしていることが話題となり、今年2月には「自分の能力に限界を定めたことは一度もない」と、通常であればキャリア晩年と思われる段階にもかかわらず、さらなる高みを目指していると力強くコメントしていた。
「私たちは彼と過ごせることに感謝している」
そんな究極のプロフェッショナリズムを持つレブロンに、レイカーズのオーナー、ジーニー・バスは心酔している模様。スティーブン・A・スミスがコメンテーターを務める「ESPN」のプログラム『First Take』に出演したバスは、以下のように語り、チームのリーダーを賞賛している。
「彼(レブロン)のプレースタイルは、とても36歳には見えません。ですが、チームにレブロンのような選手がいる場合、それを最大限に生かす必要があります。勝利する機会を逃すようなことはしません。彼はバスケットボールを熟知していて、競争力があります。彼とともに過ごせることをとても幸せに思っています」
2013-14シーズン以降、なかなか低迷期を脱出できなかったレイカーズ。しかし、2018年に同球団に加入したレブロンは、入団2年目にしてチームに悲願となる10年ぶりのチャンピオンリングをもたらし、バスはこの優勝により“NBAで優勝した史上初の女性オーナー”という名誉ある肩書きを手にしている。
また、スミスから「レブロンは底無しのように思える。彼はいつまでプレーできるのか」という質問に対して、バスはこう答えている。
「私たちは彼が居たいと思うだけ、ここに居てもらいたいと思っています。カリーム(・アブドゥル=ジャバー)は、42歳までプレーしています。レブロンは先日、46歳を迎えた頃には恐らくプレーしていないと言っていましたね。なので、今から46歳だと、あと10年でしょうか? いずれにせよ、彼のしたいようにしてもらって構いません。私たちは彼と過ごせることに感謝しています」
.@JeanieBuss on how long she anticipates LeBron James playing in the NBA:
"LeBron said something the other day about how he probably won't play when he's 46. So maybe somewhere between now and 46—so another 10 years? Whatever he wants to do." pic.twitter.com/vjv56IpL7A
— First Take (@FirstTake) March 8, 2021
バスはレブロンの将来を予想するなかで、「したいようにしてもらって構わない」と、これ以上にない“VIP待遇”を約束したのだ。
ちなみに、NBAの歴代最年長記録は、1947-48シーズンにナット・ヒッキーが残した45歳363日。レブロンはファミリーファーストな人物としても知られているため、「妻が許さない」という理由となると、ヒッキーの記録更新は望めないかもしれないが、現在のコンディションや最近の発言を見る限り、まだまだ現役生活を続ける覚悟を感じる。
また、レブロンが息子ブロニー・ジェームズ(シエラ・キャニオン高校)とNBAの舞台でプレーすることを望んでいるのは、有名な話。現在、「247 Sports」の学年別選手ランキングで全米27位に格付けされているブロニーは、2023年に高校卒業を控えている。そこから大学でプレーするとなると、レブロン親子が共闘できるのは早くても2025年だ。
自身の夢は必ず実現させる。それが、レブロン・ジェームズという男。以上から推測するに、あと5年前後はコート上でキングの姿を見られるのではないだろうか。
文=Meiji