6月12日(現地時間11日、日付は以下同)に行なわれたウェスタン・カンファレンス・セミファイナル第3戦。試合前、デンバー・ナゲッツのホーム、ボール・アリーナには1万8277人がつめかけ、ニコラ・ヨキッチがシーズンMVPのトロフィーを高々と掲げるシーンを祝福。
そのヨキッチはいずれもゲームハイとなる32得点20リバウンド10アシストのトリプルダブルでナゲッツをけん引。MVPの名に恥じないパフォーマンスを見せた。
ところが、ナゲッツがこの試合でリードしたのは第1クォーター序盤の24秒間のみ。アウェーのフェニックス・サンズが46分以上にわたってリードを保ち、116-102で快勝。シリーズ戦績を3勝0敗とし、カンファレンス・ファイナル進出へ王手をかけた。
見事勝利したサンズでは、デビン・ブッカーが28得点、クリス・ポールが27得点8アシスト3スティールと両ガードが大活躍したほか、ジェイ・クラウダーが14得点4アシスト、ミケル・ブリッジズが11得点3スティール、ディアンドレ・エイトンが10得点15リバウンドと先発陣がバランスよく加点。
試合後、ポールは「僕らはこの試合がエモーショナルなものになると分かっていた。ジョーカー(ヨキッチの愛称)が試合前にトロフィーを受け取ることになっていたからね、だから僕らは相手のランを耐えてやろうと話し合っていたんだ」としてやったり。
一方のヨキッチは、トリプルダブルの大爆発を見せたものの、フィールドゴール44.8パーセント(13/29)、3ポイント16.7パーセント(1/6)、フリースロー55.6パーセント(5/9)と、ショットの精度という点では絶好調とは言えなかった。
「いくつかショットを落としてしまったから、自分にイライラしている。(今夜は)自分のトップと呼べるゲームじゃなかった。特にシューティングの面でね。僕がショットを決めていれば、チームはもっと楽に戦えていたかもしれない。でもそれは、相手が僕に対してタフショットへと仕向けてきたからなんだ」。
NBAのプレーオフ史上、0勝3敗から4連勝でシリーズを制したチームは皆無。絶体絶命の窮地に陥ったナゲッツだが、マイケル・マローンHC(ヘッドコーチ)はこう話す。
「0勝3敗から逆転したという歴史はない。でもこのチームがこの数年間に歴史を塗り替えてきたことは知っているだろう? 昨年は2度も1勝3敗になりながら、そこから3連勝して勝ち上がってきたんだ。我々としては次戦に勝利すべく、第1クォーター、第2クォーターから勝ち取るというマインドセットにしていく」。
バブル(隔離された地域)で開催された昨年のプレーオフ。ナゲッツはファーストラウンド(対ユタ・ジャズ)、カンファレンス・セミファイナル(対ロサンゼルス・クリッパーズ)を1勝3敗から奇跡の3連勝で勝ち上がり、2009年以来となるカンファレンス・ファイナル進出を果たしている。
だが昨年のプレーオフで超人的なスコアリングショーを演じたジャマール・マレーはケガのため不在。ヨキッチと共に他の選手たちがステップアップできなければ、ナゲッツがサンズの前に4戦で散ってしまう可能性が十分あるだけに、14日に行なわれる第4戦の行方に注目していきたい。