NBAの2020-21シーズンは、7月21日(現地時間20日)にミルウォーキー・バックスがフェニックス・サンズを4勝2敗でNBAファイナルを制し、1971年以来の優勝を飾って幕を下ろした。
バックス生え抜き8シーズン目のヤニス・アデトクンボは、シリーズ平均35.2得点13.2リバウンド5.0アシスト1.2スティール1.8ブロックを残し、見事ファイナルMVPを獲得。サンズは2連勝スタートを切ったものの、第3戦から4連敗を喫することとなった。
そんな中、『ESPN』のマリカ・アンドリューズ記者は、アデトクンボが優勝決定後に敵将モンティ・ウィリアムズHC(ヘッドコーチ)と明かした会話を24日に報道。そこでアデトクンボは「最高の瞬間だった。彼が近づいてきて、僕に『おめでとう』と言ってくれたんだ。彼はすばらしいコーチであり、このチームのベストを引き出してくれた」と切り出し、さらにこう続けた。
「そこで僕は、彼をロッカールームへ呼んで、このチームへ話してもらうことが正しいことだと感じたんだ。彼はチームへ話したがっていたと思ってね。でも彼は僕らの祝福をやめさせようとはしなかったよ」。
するとアンドリューズ記者から「あなたは彼を招待したの?」と聞かれ、アデトクンボは「そう」と答え、このような会話をもったと話した。
「ロッカールームで彼のところに行ってね。中にいた皆には音楽を止めて、シャンパンがけをやめるように言ったんだ。で、彼が僕らの優勝を祝福してくれた。僕らも彼のことを祝福し、幸運を祈ると言ったのさ。僕は『お互いのチームに、来年またやり合えるチャンスがある気がしています』と言ったんだ。彼は素晴らしいチームを率いているし、それは僕らも同じだから」。
コート上ではアデトクンボへ自由にプレーさせることを許さず、徹底マークを敷いてきたウィリアムズHCだが、シリーズが終わると相手チームを称え、ロッカールームでスピーチまで行ったというから驚きだ。
もちろん、相手チームに敬意を表していたことは明らかだが、優勝決定直後にそれを行なったことは異例と言っていいかもしれない。そしてアデトクンボが敵将にかけた言葉も、ゲームを愛し、ひたむきにプレーしてきたからこそ感じた正直な思いだったに違いない。
NBAの頂上決戦で戦うためには、プレーオフのファーストラウンド、カンファレンス・セミファイナル、カンファレンス・ファイナルを勝ち上がらなければならない。来季この両チームがリマッチできる保障はどこにもないが、決してゼロではないだけに、1年後の再会を楽しみに待ちたいところだ。