8月7日の東京オリンピック 5人制男子バスケットボール決勝で、アメリカ代表は87-82でフランス代表を下し、4大会連続となる金メダルを獲得。そして先月NBAチャンピオンとなったミルウォーキー・バックスのドリュー・ホリデーとクリス・ミドルトンは、約3週間でNBAとオリンピックでチャンピオンとなった。
これまで、同年にNBAチャンピオンとオリンピックの金メダリストになったのは1992年のマイケル・ジョーダンとスコッティ・ピペン(いずれも元シカゴ・ブルズほか)、96年のピペン、2012年のレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)、16年のカイリー・アービング(現ブルックリン・ネッツ)のみ。
ミドルトンとホリデーは、ジョーダンとピペンに次ぐ偉業を成し遂げたデュオとなった。ホリデーは「彼はNBAチャンピオンであり、オリンピックで金メダルを勝ち取った。彼は僕の兄弟であり、この数か月は本当にクレイジーだった。そして僕らはそれをやり遂げたんだ。これ以上、何も望むことなんてないかもしれないね」と相棒ミドルトンを称賛していた。
Khris Middleton and Jrue Holiday seek to be the first teammates to win an Olympic gold medal and an NBA title in the same year since Michael Jordan and Scottie Pippen in 1992. pic.twitter.com/Qh8AvsROpp
— ESPN Stats & Info (@ESPNStatsInfo) August 6, 2021
特にホリデーは、グループリーグ初戦でフランスに惜敗後、翌戦(対イラン代表)からスターターへ昇格し、攻防両面で貴重な働きを見せていた。フランスとの初戦ではアメリカから合流して約1日後という強行スケジュールだったこともあり、ホリデーは「最初の試合も接戦ではあった。ハードにプレーして戦ったけど、あの試合はフルメンバーで初めて臨んだ試合でもあった。だから金メダルをかけた試合で彼らと対戦するうえで、調整することができた」と振り返る。
ホリデーは決勝戦でも11得点5リバウンド3スティール1ブロックと活躍。ケビン・デュラント(ネッツ)というスーパーエースを擁したアメリカだが、そのデュラントにオフェンスが集中してしまった場面でホリデーはペイントエリアへ入り込んでタフショット成功、ディフェンスでもカバーに入って相手のターンオーバーを誘発するなど多くの見せ場を作った。
フランス相手にもビッグマンのルディ・ゴベア(ユタ・ジャズ)が相手であろうとポジション取りで簡単には負けず、ボールが回ってきてもルーズボール争いへ持ち込んで奪い取るなど、ハッスルプレーでも魅せていたことも見逃せない。
今大会でリーダー格を務めたドレイモンド・グリーン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)は、ホリデーに対して「たぶん彼はNBAでもベストなオンボールディフェンダーだ」と最大級の賛辞を送り、こう評していた。
「彼がこのチームへ来て、その公約を守ってくれたんだ。それが今俺たちが金メダリストとしてこの場にいることができている主な理由の1つだ。彼は毎試合で相手のベストガードを守り、彼らの仕事を難しくさせていた」。
NBAの長丁場のプレーオフを勝ち抜き、ファイナルという頂上決戦を制して初のNBAチャンピオンとなったホリデーは、東京オリンピックでも金メダルを獲得したことで、この夏を「とんでもない夏」と表現。
今季に向けて、NBAはすでに動き出しているものの、まずは身体を十分に休めてリフレッシュし、再び次のシーズンへ向けて準備してほしいところだ。