8月10日(現地時間9日)。ロサンゼルス・レイカーズは、今夏の補強戦線で新加入したカーメロ・アンソニーの入団会見を行なった。
レイカーズは今年のフリーエージェント(FA)戦線で、5チーム間のトレードでワシントン・ウィザーズからラッセル・ウェストブルックを獲得したことを皮切りに、カーメロやドワイト・ハワード、トレバー・アリーザ、ケント・ベイズモア、ウェイン・エリントンというベテランを補強。
さらにテイレン・ホルトン・タッカーと再契約を結び、ケンドリック・ナンとマリーク・モンクという若手もロースターへ加えることに成功。レブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビス、マルク・ガソルの周囲にベテランと若手をブレンドさせたロースターを構築した。
これにより、今季のレイカーズはリーグ随一のベテラン軍団となったわけだが、カーメロは「俺たちはそのことを気にしちゃいない。関係ないね。自分たちの物語を作っていく」と意に介さず、さらにこう続けていた。
「俺は人々が年齢について話しているのが好きだ。より良いストーリーになるからさ。そのことが上質なストーリーにしてくれる。これはバスケットボールなんだということを、皆が忘れているんじゃないかとさえ俺は思うね。バスケットボールをどうやってプレーすべきか知らなきゃいけないし、経験がないといけない。その点、俺たちはそれをコートへ持ち込むことができる。このチームにはタレントとスキルだけでなく、経験もあるということ」。
このチームにはレブロン、デイビス、ガソル、アリーザ、ハワード、ホルトン・タッカーと、計6選手がNBAで優勝経験を誇る。そして37歳のカーメロは昨季ポートランド・トレイルブレイザーズでシックスマンの役割を受け入れ、平均13.4得点3.1リバウンド1.5アシストに3ポイント成功率40.9パーセント(平均1.9本成功)をマーク。
レイカーズにはNBAの通算得点で歴代3位(3万5367得点)のレブロンと、10位(2万7370得点)のカーメロが在籍しており、将来の殿堂入りが十分期待できる選手たちが集結したスーパーチームと言っていい。
2003年のドラフト同期であるレブロンとカーメロは、これまでオールスターや国際大会でチームメートだったことこそあるが、NBAの同じチームでプレーするのは今季が初。「ブロン(レブロンの愛称)が一度俺のところへ来て『今がその時だ。お前が欲しい。今こそ一緒にやろうぜ』と言ってきてね。そこで俺も『そうすべきだ、今がベストな時なんだ』と感じたのさ」とカーメロが会見で明かしていた。
カーメロが低年俸でレイカーズへ加入した理由。それはレブロンと一緒にプレーすることもそうだが、何よりも重要なのはチャンピオンシップを獲得することだ。
「俺の心の中で、ここに来た理由はチャンピンシップを勝ち取りたいからなんだ。皆は分かっているはずだ。それが俺の唯一欲しているものだとね。俺はそのために、これまで自分自身を駆り立ててきた。それを勝ち取るという経験を味わいたい」。
今季のレイカーズにはレブロン、デイビス、ウェストブルックという超一線級で活躍を続けるスーパースタートリオがいることから、カーメロは4、5番手のオプションになるだろう。
だが昨季シックスマンとしてプレーし、持ち前のスキルと経験、シュート力を活かしてベンチスコアラーを務めたカーメロならば、少ないチャンスをモノにして見せ場を作ることはできるはず。
キャリア終盤に差し掛かった大ベテランが、名門チームで繰り出すプレーに注目していきたい。