JBL王者の川崎は盤石布陣、三遠のファジーカス対策がカギに

 かつてオーエスジーとして旧JBLに籍を置いていた三遠ネオフェニックスが、リーグ統一により9季ぶりに企業母体のチームと相まみえる。その最初の相手は川崎ブレイブサンダース、昨季までの東芝である。

 9季以前に川崎との対戦経験があり、その強さを知る選手は大口真洋太田敦也岡田慎吾のみ。しかし、NBLでプレー歴のある鹿野洵生と、bjリーグで2年連続アシスト王の鈴木達也を獲得。2季前のbjリーグ制覇に貢献したオルー アシャオルを呼び戻し、新たな得点源としてリチャード ロビーが加わるなど補強に抜かりはない。

 一方の川崎は、1人の引退と外国人1人の入れ替え以外に選手の動きはなし。NBL優勝を果たした戦力はほぼ不変だ。チームの核は210センチのニック ファジーカス。どのチームも210センチクラスの外国人で対抗してきたが止められなかった。しかも、ファジーカスを抑えにいくと辻直人のアウトサイドシュートが鮮やかにリングを射抜く。この2人を同時に止めるのは至難の業だ。

 見どころとしては、やはり三遠のファジーカス対策ということになるだろう。昨季まで外国人を守ってきた太田をそのままぶつけるのか、外国人同士のマッチアップにするのか、あるいはゾーンディフェンスの多用などでプレッシャーをかけるのか。リーグ最年少の藤田弘輝ヘッドコーチが、河内修斗アソシエイトHCとともにどのような策を講じるか、タッグを組む2人の手腕に注目だ。

文=吉川哲彦

モバイルバージョンを終了