完敗の中に見えた激しい闘争心、A東京に連敗を喫した仙台が巻き返しを誓う

仙台は片岡大晴(左)を中心に奮闘するも、A東京に敗れた [写真]=B.LEAGUE

 10月16日、Bリーグ第4節が行われ、仙台89ERSアルバルク東京と対戦。元NBLの強豪に高いモチベーションで挑むも、69-91で敗れ4連敗。栃木ブレックス、A東京と続いたNBL勢との連戦で白星を挙げることはできなかった。

 結果としては完敗だった。だが、連敗脱出を期して試合に臨んだ仙台の選手たちからは並々ならぬ闘志が見て取れた。これまでのゲームでも言われてきたが、この試合でもサイズの差は感じられた。それでも、最後まであきらめないその姿勢に心を打たれた観客は少なくないだろう。

 4連敗を避けたい仙台はこの日もアウェー、国立代々木競技場第二体育館に乗りこんだ。猛攻を受けて敗戦した前日の二の舞は避けたかったが、サイズ、スピードともに上回るA東京に序盤から大苦戦。柳川龍之介のファーストブレイク、チリジ ネパウエのインサイドの奮戦などで粘り強くつなぐも、元NBA選手のディアンテ ギャレットにディフェンスを切り裂かれ、第1クォーターは10-25と15点差を許す。

 第2クォーターでも流れは変えられなかった。ネパウエ、ディオン ライトの1on1から打開を図るも、A東京の強固なディフェンスを崩すことはできず。ならばと、160センチの志村雄彦のカットインからキックアウトして、フリーのアウトサイドからシュートを狙うが、精度を欠き、18-45と大きく差が開き、前半を終えた。

 挽回を誓った後半戦でようやく見せ場が訪れる。ライトがインサイドへ果敢に飛びこみ、連続得点。石川海斗も自ら切りこみ、得点を重ねながら、チームのオフェンスをコントロールした。モーションオフェンスが決まる場面では、ボールも良く回り、前半とは見違えるプレーを見せた。取って、取られての目まぐるしい展開となり、仙台が得点を重ねる一方で、A東京も強烈なファーストブレイクや、ギャレットの個人技などで追撃を許さない。

 仙台は厳しい戦いを強いられた。だがその中でも、間橋健生ヘッドコーチも絶賛したように、片岡大晴の激しく気持ちのこもったディフェンスは光っていた。このプレーにチームは活気づき、最後まで一丸となって奮戦する。サイズで勝る相手を苦しめるシーンも見られ、スタンドからもたびたび歓声が上がった。しかし、終わってみれば、A東京のトロイ ギレンウォーターに21得点、13リバウンドの“ダブルダブル”、ギャレットに20得点を許し、22点差をつけられる完敗を喫した。

 仙台は石川が17得点、ライトが20得点と後半に巻き返したものの、序盤の劣勢を覆すことができず、栃木、A東京と強豪チームとの連戦で、苦杯をなめる結果となった。もっとも、サイズで劣りながらも激しくプレーするその姿は、ある種の清々しさが感じられる。だからといって、このまま負け続けるわけにはいかない。次戦は22日、ホームのカメイアリーナ仙台に秋田ノーザンハピネッツを迎えての東北勢対決となる。4連敗で払った“授業料”が決して高くなかったことを、地元ブースターに証明したい。

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