立冬の11月7日、B1リーグ第7節第2戦が行われ、東地区2位のアルバルク東京が同地区6位の秋田ノーザンハピネッツを国立代々木競技場第二体育館に迎えた。ホーム東京での平日初開催となった会場には、会社帰りのビジネスマンやビジネスウーマンと思われる若い男女の姿も目立ち、このホームアリーナが原宿駅のかたわらという立地の良さを実感させる。
試合は19時15分ティップオフ。第1戦の第1クォーターで秋田の得点を6点に抑えて一気に試合のペースを握ったA東京は、第2戦でもうまく流れを作りたいところだったが、開始早々に秋田の白濱僚佑に3ポイントシュートを許す。すぐさま田中大貴がトップ・オブ・ザ・キー(コートの真ん中辺りのエリア)からの得点で2点を返すものの、オフェンスのリズムとシュートセレクトが悪く、第1クォーターを14-17で終える。
リズムに乗りきれないA東京は、第2クォーターに立て直しを図りたいところであった。しかし、立ちあがりに秋田の田口成浩、高橋憲一に連続で3ポイントを許し、ペースを握られると、ディアンテ・ギャレットがカットインからのフローターシュートを沈めるまでの4分30秒間は無得点。この日、インサイドの要を担うトロイ・ギレンウォーターをかかとのケガで欠くA東京は、体を張ったディフェンスで容易に得点を与えなかったものの、伊藤拓摩ヘッドコーチが「(ギレンウォーターは)特にオフェンスを作ることができる選手なので(欠場は)大きかった」と語ったとおり、第2クォーターではわずか7得点しか挙げることができず、前半を21-38で折り返す。
秋田のタフな攻守に手を焼くA東京はハーフタイムを経て反撃したいところだったが、第3クォーター最初の得点も秋田。ローポストでボールを持ったスコット・モリソンからの合わせで、谷口大智が飛びこみ失点を喫する。このまま秋田ペースが続くかと思われたが、ギャレットやザック・バランスキーらの得点で両チームのテンションも、会場のボルテージも一気にヒートアップ。第3クォーター残り1分30秒過ぎには激しい点の取り合いになったものの、秋田のディショーン・スティーブンスにボーズハンドダンクを叩きこまれ、14点を追いかける展開で最終クォーターへ。
序盤で一気に点差を縮めたいA東京は田中大貴とギャレットの個人技で迫るが、秋田の田口に3ポイントを許し、一進一退の攻防が続く。ラスト4分を切ったところで9点差まで詰め寄ったものの、この日のリズムの悪さを象徴するように竹内が痛恨のパスミス。オールコートプレスなどで打開を図るも、秋田の白濱にこの日3本目の3ポイントを決められ、勝負あり。ファイナルスコア64-78で、4試合ぶりの黒星を喫した。
A東京はギャレットが28得点を挙げたものの、伊藤HCが会見の際に何度も口にした「タフな試合」を制することができず。平日夜にホーム代々木第二に詰めかけた2690人の観客を前に、テンションの高い熱戦を演じながら、あと一歩及ばず悔しい敗戦となった。
文=村上成