5月31日、Bリーグの臨時会員総会が開催。その後の会見において、千葉ジェッツの島田慎二社長が副理事長(バイスチェアマン)となることが公表された。正式な就任は9月末に行われる定時会員総会後だが、Bリーグの大河正明チェアマンは「今日から実質的に副理事長として仕事をしてもらう」と話した。
Bリーグの役員選考委員会委員長を務める川淵三郎日本バスケットボール協会会長エグゼクティブアドバイザー(EA)は、島田氏の起用について「Bリーグがスタートする際、チェアマンにふさわしい人材として島田さんには目をつけていた。それ以来リーグの運営に携わってほしいと何度もアプローチしていたが、『千葉の社長を辞めずに大河チェアマンの下で働けるなら』ということだったのでお願いした」と説明した。
大河チェアマンも、千葉でらつ腕を振るう島田氏に期待を寄せる。「Bリーグの事業規模をさらに発展させることと、メディア露出をより増やしていくこと。そして職員が増えているリーグの組織体制の見直しやクラブとの関係性など、島田さんの力でガバナンスを強化したい」
島田氏は「(クラブ経営者としてみると)Bリーグには経営者としての視点がないと思っていたが、それは顧客目線が足りないということ。顧客目線がないものが成功するはずがない」とここまでのBリーグの経営に関して言及。また、「クラブの事業規模として、数年以内に少なくとも15億円を稼げるクラブがいくつか出てくるようにしていかなければいけない」と具体的な数字を挙げると、大河チェアマンも「今シーズンはB1クラブの事業収入が恐らく平均7億円程度になると思っているので、これを平均10億円強にしていきたい。Jリーグではヴァンフォーレ甲府が人口約82万人の山梨県で15億円稼いでいる。秋田(ノーザンハピネッツ)や沖縄(琉球ゴールデンキングス)でできないことはないと思う」と同調した。
クラブ社長とリーグ副理事長という“二足のわらじ”を履くことになったが、島田氏は「リーグが3、千葉が2くらいの比重で仕事をしたいと思っている。頭の切り替えは大変になるが、使命だと思ってしっかり取り組みたい」と話した。
川淵EAも「1クラブの社長が統括団体のトップになるということは前例がないと思うが、前例のないことをやって成功してきたのがBリーグ。自分のクラブが得をするようになことをするのではないかと思う人もいるだろうが、島田さんはそんなことをするような人ではない」と信頼を口にした。
また、この日の会員総会では葦原一正事務局長の常務理事就任についても決定。大河チェアマン、島田バイスチェアマン、葦原常務理事の3人体制でBリーグ2年目を迎えることになる。