2017.04.27
4月25日、東京都内でBリーグが、同日付けでリリースされたBリーグチケットサイトにおける、個人情報流出についての緊急記者会見を行った。
Bリーグのチケットサイト及びファンクラブ受付サイトの運営、委託先であるチケット販売サイト「ぴあ」は、チケットサイト利用者から、クレジットカード情報に関する問い合わせを受け、第三者機関による詳細な調査を行い、4月16日に最終調査報告書を受領。この報告書で、何者かのサイバー攻撃による不正アクセスが確認され、最大約15万5000件(うちクレジットカード情報約3万2000件を含む)の個人情報が流出したことが判明した。これを受けて、緊急記者会見を開いたBリーグの大河正明チェアマンは「Bリーグにとって本当に大切なお客様の個人情報の取扱いについて、関係する方々に多大なるご迷惑とご心配をおかけして誠に申し訳ございません。この場をお借りして深くお詫び申し上げます」と深謝した。
また、「今回の件はBリーグの管理監督責任にあると思っています。今回の事象を受けて、セキュリティを強化することを、ぴあ社に強く要請しています」と再発防止に向けて、監査体制を全面的に見直す予定があることを明らかにし、「皆様が安心してご利用いただける環境作りを目指していきたい」と力強く語った。
今回の件を受けてリリースされたぴあ社の報告によると、同社の委託先でぴあ社から発注された仕様や運用ガイドラインと異なる運用が行われ、そのデータベース等に個人情報が不適切に保持されていたことが本質的な原因だという。Bリーグの葦原一正事務局長によると、問題となったシステムの脆弱性は、アプリケーションのバージョンアップ及びサーバーの再構築等の処置により対処済みであり、「現在は安全に使用することができる」とのことだ。
デジタル環境の充実により、スポーツ観戦やレジャーを手軽に楽しむことができる利便性は日々高まっている。一方で、利便性の向上とのトレードオフのように湧きあがる、サイバーテロに起因する情報流出とセキュリティシステムとの“いたちごっこ”は悩ましい問題である。『Bリーグスマホチケット』など24時間いつでもチケットを購入でき、アプリ内のチケットを見せてそのまま入場できる手軽さなどは、昨年立ちあがったばかりの新しいリーグの大きな魅力の一つだ。多くのファンが気軽にアリーナに足を向けることができるように構築された利便性を損なわぬよう、今回の直接的な原因となった、ぴあ社の業務運用改善は当然であるが、Bリーグの管理監督手腕にも、2度と同様の事象が起きないよう期待したい。
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